折尾駅に香る新しい体験
JR九州が、日本初の立体交差駅である折尾駅において、「心ととのう駅」というコンセプトのもと、香り演出に関する実証実験を開始します。この取り組みは、駅を単なる通過点から記憶に残る場所へと変えることを目指しており、2025年7月25日から約1ヶ月間にわたって行われます。
新たな居心地の良さを追求する
香りの演出は、調香師の折井茜によって、天然香料のみを使用して手掛けられます。2分間の待ち時間を快適な体験に変えるため、駅空間に香りを取り入れ、スムーズで心地よい時間を提供します。折井氏は、香りの力を信じており、香りは新しい感覚の一部であると語ります。私たちの記憶に残る香りは、様々な感情をもたらし、駅を“好きな場所”に変えるかもしれません。
「駅」という日常的な空間に、香りによって奥行きと温かみを持たせ、それによって人々に感情的な繋がりをもたらすことが目的です。これにより、香りが私たちの生活に与える影響を体験しやすくできます。
折尾駅の風景と香り
実証実験の中で使用される香り『Awai – 折尾ノ香』は、日本に特有の美しい言葉「あわい」から名付けられました。この言葉は「間(ま)」、「ゆらぎ」、「つなぎ目」を表し、過去と現在、公共と個人、日常と旅の交差を象徴しています。香りによってこのあわいを感じ、駅を訪れる人たちに特別な体験を提供することが狙いです。
新たな香りは、ピンクグレープフルーツのフレッシュさ、ユーカリシトリオドラの爽やかさ、ヒノキの穏やかさ、フランキンセンスやサンダルウッドの深み、ベンゾインのぬくもりなど、天然精油100%から成り立っています。自然の贈り物を通じて、訪れる全ての人に深呼吸を促し、心を「ととのえる」時間を提供します。
駅長の期待と地域とのつながり
折尾駅の駅長、水嶋法子様は、「懐かしくて、新しい」折尾駅にふさわしい香りが完成したとコメントし、駅を訪れるお客様に心地よい体験と空間を提供する姿勢を強調しました。香りは訪問者の思い出と結びつくことを願っています。
香りの実証実験と今後の展開
実証実験の目的は、香りによる空間の快適性や訪問者の感情的記憶への影響を測定することです。香りと駅ブランディングの親和性も追求され、香りの演出がこれからの駅や公共空間にどのように影響を与えるのかを検証していきます。また、地域の素材を活用した空間演出の可能性にも焦点を当て、香りを媒介に地域と都市、過去と未来をつなぐことを試みています。
今後も、SOU FRAGRANCEは香りを通じて「感性でまちを再発見する」取り組みを展開します。私たち一人ひとりの体験を豊かにし、甘美な香りで私たちの生活を彩る存在となることを目指します。香りとの新たな出会いを通じて、あなたの感覚を拡げてみませんか?