JCBとIWIが共同で導入した不正取引情報サービス「MATTE」の進化
株式会社ジェーシービー(JCB)と株式会社インテリジェント ウェイブ(IWI)は、業界全体の不正利用対策を強化するために取り組んでいます。その一環として、国内初の不正取引情報WEB連携サービス「MATTE(マッテ)」がリニューアルされました。この新たな取り組みは、JCBおよびIWIの双方の強みを活かす形で進化し、クレジットカード業界全体のセキュリティ向上を目指しています。
「MATTE」のリニューアル内容
「MATTE」はこれまで、主にJCBブランドの取引情報を対象としてきましたが、リニューアルを通じて国際カードブランドの取引情報にも対応することが可能になりました。これにより、全ての加盟店やカード発行会社が不正・不審取引に関する情報をリアルタイムで連携できる体制が整いました。従来よりも迅速に行動を起こせるため、不正利用の防止に寄与することでしょう。
特に、新機能にはデータ一括登録や承認ワークフローの拡充が含まれます。これらによって加盟店の業務はさらに効率化され、多くの加盟店や決済サービス業者に「MATTE」を導入することが期待されています。今後、JCBとIWIは連携を強化し、詳細な不正検知手法を実現することを目指します。
クレジットカード不正利用の現状
2022年にはクレジットカードにおける不正利用の被害総額が437億円に達し、2023年には541億円に増加。2024年の上半期だけでも268億円に及ぶなど、年々被害額は増えており、実態は非常に深刻です。これに対抗するために、2024年3月には「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂され、決済前・決済時・決済後それぞれのプロセスでの対策が求められるようになりました。この取り組みの中でも、配送停止が有効な方法として注目されています。
今後の展望
「MATTE」のリニューアルによって、今後80%以上の配送停止依頼がカード会社と加盟店の間で直接的に行われることが計画されています。これにより、ますますスムーズな不正防止策が講じられるでしょう。また、JCBとIWIの両社は、今後も新しい機能の充実を目指し、データやノウハウの共有を進めていく方針です。
企業情報
株式会社ジェーシービー(JCB)
- - 事業内容: クレジットカード業務や融資業務、集金代行業務など
- - 企業HP: JCB公式サイト
株式会社インテリジェント ウェイブ(IWI)
- - 事業内容: 決済関連システム、情報セキュリティシステムの開発・提供
- - 企業HP: IWI公式サイト
不正取引への対応は今後ますます重要になるため、JCBとIWIの新しい「MATTE」が業界を変革することに期待が寄せられます。これにより、カード利用者が安心して取引を行える環境が整うことでしょう。