木造住宅の建築現場を見学した学生たちの体験
2025年11月14日、愛知県豊橋市にて一建設株式会社が主催した「木造住宅の建築現場見学会」に、豊橋工科高等学校建築デザイン科の2年生38名が参加しました。この見学会は、建築業界の未来を担う若い世代に、リアルな建築現場を体験させることを目的としています。
建設業界の現状と未来
現在、国土交通省のデータによれば、2023年の建設業従事者数は1997年のピーク時に比べて約30%減少しています。この現象は特に団塊世代の退職によるもので、2025年には多くの退職者が出ると予測されており、業界全体での人手不足が懸念されています。このような背景を受けて、若い世代に建設業の魅力を伝える必要があると、一建設は考えました。
現場見学の内容と体験
見学会では、まず開会の挨拶があり、次に一建設が取り組んでいる熱中症対策として、ファン付きウェアや塩タブレットの紹介が行われました。これにより、建設現場での安全性や健康管理の重要性を生徒たちに示すことができました。
続けて、建設中の住宅内での基礎工事や躯体工事の説明が行われ、正社員の大工が電動工具の安全な使用法をレクチャーしました。生徒たちの中から5名が選ばれ、実際にビス打ちを体験することができました。この体験は彼らにとって新しい学びの場であり、技術の実際を感じる貴重な機会となりました。
学生たちの感想
参加した生徒たちは、見学会に対して非常にポジティブな反応を示しています。「大工さんのビス打ちはとても早くて正確でした。初めて建築中の家の中に入ることができ、授業では学べなかった多くのことを知ることができました」といった感想が寄せられました。道具や金物の用途などを学び、大工のスキルの高さに驚いた生徒も多かったようです。
建設業の未来を見据えて
今回の見学会は、ただ現場を訪れるだけでなく、デジタルツールを使った最新の業務方法についても触れられました。生徒たちは、iPadを用いた施工管理を実際に目にすることで、これからの建設業の在り方を学びました。このような経験を通じて、建築デザイン科の生徒たちが将来的にどのような職業を選ぶか、非常に楽しみです。
まとめ
一建設株式会社は、建築業界の未来を担う若者たちが、リアルな現場の声を聞き、技術を学ぶ機会を提供することに努めています。このような取り組みを重ねながら、次世代の建設業界を元気にしていくための土台を育てていくことでしょう。参加した生徒たちには、この貴重な体験を通じて、建築の世界への興味をさらに深めてほしいと願っています。