生成AIを活用した不正検知の最前線
近年、急速に進化する技術の中で、生成AIによる不正検知がさまざまな業界で注目を集めています。その中でも、Resemble AI Inc.が推進する技術は、特に話題に上がります。このたび、グローバル・ブレイン株式会社が運営するKDDI Open Innovation Fund V(KOIF V)が、Resemble AIへの出資を発表しました。これは、同社が抱える独自の技術力および市場におけるポジショニングの強さを背景にしています。
ディープフェイクの脅威
最近では、AIによって生成された映像や音声が悪用されるケースが増加し、社会全体に対するリスクが高まっています。特にディープフェイクと呼ばれる技術の進化は目覚ましく、詐欺や偽情報の拡散を助長しています。これにより、2025年にはディープフェイクに関連した詐欺による損失が15.6億ドルに達すると予想されています
1。さらに、米国では生成AIによる詐欺被害が2027年までに400億ドルに達する可能性も指摘されています2。
Resemble AIの技術力
Resemble AIは、こういったディープフェイクからの脅威を未然に防ぐために、リアルタイムで不正を検知する技術を開発しています。特に、業界をリードするディープフェイク検出モデル『DETECT-3B Omni』は、高い検出精度と多くの導入実績を意味しています。このモデルは、エンターテインメント業界や通信業界、大手企業、さらには政府機関にまで採用されています。さらに、Hugging Faceのディープフェイク検出リーダーボードでも、同モデルはその性能が評価され第1位にランクインしています(2025年12月1日時点)*3。
出資の意図と今後の展望
グローバル・ブレインは、Resemble AIの持つ技術と市場での位置付けが今後の成長に寄与するとの確信から、出資に至りました。この出資を通じて、KDDIのネットワークと資産を活用し、Resemble AIの事業のスケールアップを図る考えです。
出資を受けたResemble AIは、今後の資金をもとにグローバルなプロダクト展開を加速し、より多くのユーザーに安全で信頼性の高い不正検知サービスを提供していく計画です。これにより、企業のみならず、一般ユーザーにとっても安心してデジタルコンテンツを享受できる環境作りに貢献することでしょう。
企業情報
Resemble AI Inc.
- - 所在地: 米国カリフォルニア州マウンテンビュー
- - 設立日: 2018年12月
- - 主な事業内容: AIによる不正検知ソリューションの開発・提供
- - URL: Resemble AI
KOIF Vについて
- - 登記上の名称: KDDI新規事業育成5号投資事業有限責任組合
- - 簿外責任組合員: グローバル・ブレイン
- - 運用総額: 50億円(予定)
- - 運用期間: 10年間
グローバル・ブレイン株式会社
- - 所在地: 東京都渋谷区
- - 設立日: 1998年1月
- - 代表者: 百合本安彦
- - 事業内容: ベンチャーキャピタル事業
- - URL: グローバル・ブレイン
このように、生成AIを駆使した不正検知技術は、今後の社会においてますます重要な役割を果たすことでしょう。