富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が毎年主催する「Innovation Print Awards(IPA)」2025年度の入賞作品が発表されました。本コンテストは国内外のデジタル印刷作品を評価するもので、今回日本からは過去最多の7作品が入賞する快挙を成し遂げました。これにより、日本が世界の印刷技術の最前線にいることが証明されました。
IPAは2008年から始まり、今年で18回目を迎えます。対象となるのは、富士フイルムグループのデジタル印刷機器で制作された印刷物で、作品は「IPA2025 グローバル」と「IPA2025 APJ」の2つのプログラムに分かれています。グローバルプログラムは世界中からの作品を受け入れ、日本とアジア・パシフィック地域に限定したプログラムも存在します。
今年度のグローバルプログラムでは、日本を含む14の国・地域から170作品が応募され、その中から36作品が受賞しました。一方、アジア・パシフィックからは282作品が応募され、同じく36作品が入賞しています。このように、広い地域から多様な作品が集まり、コンテストは国際的な印刷技術の Showcase(発表の場)としての役割も果たしています。
審査は印刷、グラフィックデザインの専門家で構成された第三者委員会によって行われ、応募作品は仕上がりの品質やデジタル印刷技術の活用、革新性、ビジネスにおける有効性、そして全体の美しさを基準に評価されます。受賞作品は国内外で開催されるさまざまな印刷関連イベントや展示会で紹介されるため、印刷会社やデザイン会社にとってはその技術や発想を国際的にアピールする貴重な機会となっています。
特に注目すべきは、最優秀賞であるBest Innovation Awardに輝いた2作品です。グローバル部門での受賞作品は、韓国の「プロジェクトチーム ‘Every Single Day’」によるアーティストブック「Island, Alone」です。この作品は韓国の伝統紙「韓紙」と再生紙を用いて、本の特性を再解釈したもので、文学と美術を融合させたコレクタブルオブジェでもあります。
また、APJ部門で受賞したのは中国の「Golden Ladies Photo」による「Wedding Photobook」で、卓越した印刷品質と色再現性が際立つ作品です。このフォトブックは、特別な日の思い出を美しく残す魅力的な仕上がりとなっています。
IPAは単なるコンテストにとどまらず、印刷業界全体にとって重要な場でもあります。今後も、革新の一環としてさらなる技術の進化とデザインの融合が期待されます。さらなる情報とともに、来年度のコンテストに向けた取り組みも楽しみですね。その成長を見守りつつ、今後も印刷の未来を共に考えていきたいものです。