全身型重症筋無力症治療薬「ニポカリマブ」の製造販売承認申請について

ニポカリマブの製造販売承認申請が行われました



2023年、ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)が、全身型重症筋無力症の治療薬「ニポカリマブ」の製造販売承認を申請しました。この申請は、第III相の国際共同試験であるVIVACITY-MG3試験の結果に基づいています。全身型重症筋無力症は自己免疫によって発症し、約23,000人の患者が日本に存在します。

全身型重症筋無力症とは?



全身型重症筋無力症は、自己抗体によって引き起こされる神経筋接合部の疾患です。主な症状としては、骨格筋の筋力低下、四肢の脱力、眼瞼の下垂、さらに嚥下や発話に関連する問題などが挙げられます。これにより患者は日常生活に多大な影響を受けることが多く、高度な治療が求められています。

ニポカリマブの臨床試験の成果



VIVACITY-MG3試験では、ニポカリマブがプラセボとの比較で優越性を示しました。この試験には抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体や抗筋特異的キナーゼ(MuSK)抗体陽性の成人患者が多く参加しています。ニポカリマブと従来の標準治療を併用した結果、MG-ADLスコアが顕著に改善し、持続的な症状コントロールの可能性が示されました。

試験では、ニポカリマブの投与が行われ、患者の症状の変化が24週間にわたり評価されました。結果として、ニポカリマブを受けた患者では、従来治療と比較して約1.45ポイントのスコア改善が認められ、持続的な効果が確認されたのです。また、安全性についてもプラセボ群と同様の結果が出ており、経過にも問題は見られませんでした。

J&Jの期待



J&J Innovative Medicineの神経科学部門の責任者であるビル・マーティン博士は、「ニポカリマブが全身型重症筋無力症患者に対して持続的な症状コントロールを実現することに期待しています」と語っています。この薬剤は、個々の患者に適した治療を提供するための重要なステップとなると考えられています。

全身型重症筋無力症の新たな希望



現在、全身型重症筋無力症に対する新たな治療法の導入が急務とされています。既存の治療法で十分な効果が得られない患者も多いため、ニポカリマブの登場は希望の光となり得ます。また、未承認のFcRn阻害剤が日本国内での承認プロセスを進めていることも注目されます。

今後の承認取得に向けてJ&Jは関係機関と連携し、より良い治療薬の提供を目指しています。ニポカリマブの発売が実現すれば、全身型重症筋無力症患者に新しい治療の選択肢と希望をもたらすことでしょう。

会社情報

会社名
ヤンセンファーマ株式会社
住所
東京都千代田区西神田3-5-2
電話番号
03-4411-5046

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