2024年9月13日から14日の2日間、全国の15歳から69歳を対象に行われた「2024年スポーツマーケティング基礎調査」の結果が発表されました。この調査は、株式会社マクロミルと三菱UFJリサーチ&コンサルティングが共同で実施し、全国から2,000人の回答を集めました。調査は2004年から続いており、今年で21回目となります。
調査結果によると、スポーツ参加市場の規模は約1.7兆円で、前年に比べて24%の増加となっています。この中でも特にスタジアム観戦市場の成長が顕著で、昨年比57%の増加を記録しました。この結果は、観戦イベントへの人気の高まりを示しており、特に家族連れや友人同士での観戦が増加していることが背景にあると考えられます。
メジャーリーグ(MLB)のファン人口は1,133万人で、昨年比23.8%の増加を見せています。これは5年連続での増加です。一方、日本のプロ野球ファンは2,210万人、Jリーグファンは952万人と、それぞれ昨年比で4.4%、11.5%の増加を見せています。これにより日本国内のスポーツファン層はますます厚みを増していることが明らかになりました。
さらに、調査において、好きなスポーツ選手のランキングでも大谷翔平選手が7年連続で1位を獲得しています。第2位にはサッカー選手の三笘薫選手が、3位にはバレーボール選手の石川祐希選手がランクインしています。ここで特筆すべきは、パリオリンピックで活躍したバレーボール選手たちが評価されている点です。特に髙橋藍選手が第5位にランクインしており、バレーボール人気の高まりを反映しています。
観戦方法についても興味深い結果が得られました。最も多く使用されているメディア端末はテレビですが、30代以下の世代ではスマートフォンでの視聴が増えてきています。これにより、世代によってメディア消費の傾向が変化していることも示されています。
また、調査では「ダイナミックプライシング」を用いたスポーツチケット販売の認知度が約20%であることも注目されます。これは今後のスポーツイベントにおける新たな販売方法の可能性を示唆しています。
この調査は、データに基づくスポーツ経営のための重要な資料となります。スポーツが日本社会においてどのように変わりつつあるのか、今後の動向が益々楽しみになる結果となりました。特に、ファン層の厚みや観戦の形式の変化は、今後のスポーツビジネスに大きな影響を与えることでしょう。この調査結果は、利用者がスポーツに対する意識や行動を把握するための貴重なデータとして、今後の施策に活用されることが期待されます。