株式会社マイナビが実施した「2026年卒大学生キャリア意向調査」では、就職後の副業や資産形成に対する意識が明らかになりました。この調査は、2026年に卒業を予定している全国の大学生・大学院生を対象に行われました。
調査の背景と目的
近年、多くの学生が就職後の生活について慎重に考えるようになり、特に副業や投資に対する意欲が高まっています。この調査は、彼らの考えや希望を具体的に浮き彫りにすることを目的として実施されました。
結果の概要
調査結果に基づくと、「就職先の収入のみで満足のいく生活ができる」と考える学生は約36.7%で、約3人に1人がこの意見を持っていることが判明しました。一方で、約48.3%が「最低限は生活できる」と答えました。また、正当な理由で収入を得ることが、生活の充実や将来の安心に直結していると認識しています。
最も多くの学生が「最低限以上の収入を得る目的」として挙げたのは、「自分の生活を豊かにするため(80.6%)」でした。次いで、「やりたいことをするためにお金が必要だから(40.2%)」や「老後のために貯金をしたいから(33.8%)」などの意見もありました。これらの結果は、生活の質を維持し、将来の資産形成を意識した選択をしていることを示唆しています。
副業に対する意識
就職後の副業に対する希望を尋ねると、58.8%が「副業を行いたい」と回答しました。このデータは、収入への自信が副業の意欲に大きく関与していることを示しています。特に、満足する生活ができないと感じている学生の副業希望率は約83.0%にも上り、収入に対する見通しが負圧となっていることが明らかになりました。
副業を希望する主な理由は、「貯蓄や自由に使えるお金の確保のため(55.0%)」であり、自己成長やキャリア形成を目的として副業に取り組む学生も存在します。また、満足している層の中には自己成長のために副業を行う声も多く見られました。
資産形成への意識
調査では、社会人となると「資産形成・資産運用」にお金をかけるべきだと考えている学生が約36.4%という結果も出ています。特に、収入に対してポジティブな見通しを持つ学生は、すでに投資を始めている割合が高く、「社会人になったら必ず行う」と期待している学生も多数いました。このことから、将来の資産形成を考慮し、積極的にお金を使おうとする姿勢が伺えます。
まとめ
全体を通して、学生たちは「豊かな生活を送りたい」という思いを持ちながらも、その実現手段に差が見られることが今回の調査で明確になりました。収入の予見がポジティブな学生は、主に投資に重点を置く一方、生活に不安を感じる学生は副業に力を入れている傾向があります。このように、多様な視点から将来を見据える意識が高まっていることが示されました。調査結果は、今後の就職市場や社会人の生活設計を考える上で重要なデータと言えるでしょう。