三重県朝日町が導入した保育ICTシステムの現状と展望

はいチーズ！システム導入の意義と効果

三重県朝日町では、子どもたちの幸せを創造する総合保育テックサービス「はいチーズ！」が提供する保育業務向けICTシステムの導入が進んでいます。これは、保育現場でのDX（デジタルトランスフォーメーション）推進の一環であり、保育士の業務負担を軽減し、保育の質を高めることを目的としています。

従来の業務形態からペーパーレス化を進める中で、保護者へのオープンな園運営も実現するこのシステム。設立者である千株式会社の代表取締役社長・千葉伸明氏も「このシステムを通じてより良い保育環境の構築を目指したい」との意向を示しています。

導入の背景

朝日町における保育現場の主な課題は、保護者への情報提供や保育の質向上です。そのため、保育士が抱える多忙な業務の中で本当に必要な業務を見極め、効率化を図る必要性が強く認識されていました。保護者からも、ICT化への期待が高まっており、他市町からの情報共有によってそのニーズは加速しています。

システム導入の決定要因

比較検討の結果、「はいチーズ！システム」の導入が決まりましたが、その主な要因はコストパフォーマンスの良さでした。特に「子ども想いプラン」を利用することで、経費を抑えることが可能だと評価されました。自治体の予算の厳しさを考慮しながら、理想的な選択肢として導入が決まったのです。また、他のシステムと比較しても基本機能に大きな差異がなかったことが、安心感をもたらしました。

職員の反応

導入が進んだ後、職員を対象にしたアンケートでは、45%の職員が「役立った」と応え、その中で特に好評だった機能には、手書き作業の減少やペーパーレス化、電話対応の削減などが含まれました。特に電話の減少に関しては、午前中の欠席連絡がスムーズになったことが実感されています。このように、職員も力強くシステムの効果を実感していることが伺えます。

スムーズな導入のための工夫

朝日町では、ICTの導入は単なるツールではなく、運用が定着することを重視しています。アプリ配信に移行する中でも、従来のコミュニケーション方法を大切にし、保護者との対話を怠らないという工夫も見受けられます。この対話の重要性を認識する職員は多く、職員の意識改革も進んでいると感じられます。

今後の展望

後藤秀彦様は、システム導入が進む中で「業務のスタイルを変える意識改革」が不可欠であると述べ、保護者満足度の向上を意識した運営に力を入れています。保育士募集における課題は残すものの、ICTの効果を生かすことでそれに寄与することが期待されています。また今後は保護者からのフィードバックを活用し、システムの改善に努めていきたいと強調されました。