グリコ社、ビフィズス菌BifiXの抗メタボリックシンドローム効果を発見!

グリコのビフィズス菌BifiX、メタボリックシンドローム対策に効果を発揮



江崎グリコ株式会社は、東海大学医学部と共同で、同社が開発したビフィズス菌BifiX(Bifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株)に関する画期的な研究成果を発表しました。マウス実験において、BifiXの摂取がメタボリックシンドロームの改善に効果的であることが確認されたのです。

メタボリックシンドロームと腸内環境



メタボリックシンドロームは、内臓脂肪蓄積、高血糖、高血圧、脂質異常などを特徴とする現代病です。世界的に患者数が増加しており、その予防と治療は喫緊の課題となっています。近年、腸内環境とメタボリックシンドロームの関連性が注目されており、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が、血糖値や脂質代謝に影響を与えることが明らかになっています。

BifiXの驚くべき効果



今回の研究では、高脂肪食で肥満を誘導したマウスに、BifiX、または腸管増殖性を持たないビフィズス菌(比較対照群)、生理食塩水(対照群)を7週間投与しました。その結果、BifiX投与群では、以下の効果が確認されました。

内臓脂肪の減少: 対照群と比較して、内臓脂肪の蓄積が有意に抑制されました。
耐糖能の改善: 血糖値のコントロールが改善されました。
GLP-1分泌の促進: 大腸および血液中のGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)濃度が有意に上昇しました。GLP-1は、食欲抑制や血糖値低下作用を持つ消化管ホルモンです。
腸内環境の改善: 腸内のビフィズス菌数と短鎖脂肪酸(特に酢酸)の量が増加しました。

一方、比較対照群では、これらの効果は確認されませんでした。このことから、BifiXの抗メタボリックシンドローム効果は、腸内での増殖と、それに伴う短鎖脂肪酸産生、そしてGLP-1分泌促進によると考えられます。

BifiXによる健康への新たなアプローチ



本研究は、BifiXが腸内環境を改善し、メタボリックシンドロームの予防・改善に貢献する可能性を示唆しています。BifiXは、腸管増殖能の高いビフィズス菌株であるため、継続的な摂取による効果が期待できます。今後、さらなる研究を通じて、BifiXを用いた新たな健康増進戦略の確立が期待されます。健康的な食生活や運動と合わせて、BifiXを摂取することで、より効果的なメタボリックシンドローム対策につながる可能性があります。

研究概要



研究機関: 江崎グリコ株式会社健康科学研究所、グリコ乳業株式会社商品開発研究所、東海大学医学部

発表: 日本農芸化学会2015年度大会

研究方法: 高脂肪食摂取マウスを用いた7週間の経口投与試験

注目点: 腸内環境の改善、GLP-1分泌の促進、内臓脂肪減少、耐糖能改善

今後の展望: 人体での臨床試験による効果検証、機能性食品開発への応用

短鎖脂肪酸: 腸内細菌が食物繊維を分解して産生する脂肪酸の一種。腸内環境の改善に重要な役割を果たします。

GLP-1: 消化管から分泌されるホルモン。食欲抑制、血糖値低下、インスリン分泌促進などの作用があります。

メタボリックシンドローム: 内臓脂肪蓄積、高血糖、高血圧、脂質異常などを特徴とする疾患。

会社情報

会社名
江崎グリコ株式会社
住所
大阪府大阪市西淀川区歌島4丁目6番5号
電話番号
06-6477-8352

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