建設現場における3D映像を利用した遠隔操縦実証試験の成功

EIZO株式会社（本社：石川県白山市）と株式会社大林組（本社：東京都港区）は、能登半島での災害復旧現場において、3D映像を活用した建設機械の遠隔操縦実証試験を実施しました。この取り組みは、近年の技術革新を受け、特に安全性と効率性の両立が求められる建設業界において、高い注目を集めています。

1. 背景と目的

「令和6年度能登半島地震地すべり緊急復旧工事」では、復旧作業中の事故を未然に防ぐため、遠隔操縦の導入が求められました。大林組は石川県輪島市の現場と千葉県君津市の操縦拠点を結び、安全な環境で作業を行うシステムを構築しました。しかし、従来の2D映像では距離感の把握が難しく、オペレーションに課題が多い状況でした。

2. 取り組み内容

この課題を克服するため、3D映像技術を取り入れた遠隔操作ソリューションが試験的に導入されました。3D映像により、オペレーターは作業環境をよりリアルに把握でき、複数の映像を確認する必要がなくなります。また、この技術は日立建機との協業により開発されたもので、2024年4月に発表予定です。このソリューションは、単なる技術革新にとどまらず、作業効率向上にも貢献することが期待されています。

3. 検証結果

実証試験の結果、以下のような効果が確認されました：

- 作業効率の向上：3D映像により、深度認識が改善され、作業速度が向上しました。
- 安全性の向上：超長距離の安定したストリーミングにより、遠隔でも安全でスムーズな作業が可能となりました。
- 迅速な復旧：3D映像の活用により、俯瞰カメラの設置時間を省略でき、復旧作業の初動を早めることに成功しました。

4. 展示実績

この実証の成果は、2025年10月に「けんせつフェア北陸2025 in 新潟」にて、大林組のブースで発表されました。来場者からの興味を引き、多くの方々に注目されました。

5. 今後の展望

EIZOは今後も3D遠隔操作ソリューションの適用範囲を広げ、様々な建設機械や作業において現場検証を続けていきます。これは、自然災害時の早期復旧や建設機械の操縦者不足といった社会的課題の解決に向けた重要なステップです。

6. EIZOのサステナビリティへの取り組み

EIZOは企業理念「映像を通じて豊かな未来社会を実現する」に基づき、持続可能な社会を築くための取り組みを推進しています。低炭素社会の実現に向けた行動計画や、気候変動への対応を進め、環境保全に寄与しています。具体的には、2040年までのネットゼロ達成やバリューチェーン全体での環境配慮、資源の有効活用に向けた取り組みを行っています。

このような努力が、今後の技術革新と社会課題の解決に資することを期待しています。

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