すべり軸受用ベンチ試験機の運用開始
大同メタル工業株式会社は、2025年の末までに新たに設置した「風車技術研究所 実験棟」で、世界初の軸受メーカー単独によるすべり軸受用ベンチ試験機の運用を開始しました。この試験機は、風力発電における主軸用すべり軸受を評価するためのもので、特に洋上風力発電に関連する技術として注目されています。
風力発電技術の進化
実験棟内の試験機は、風車メーカーが使用する実機と同等の使用環境を再現します。具体的には周速や面圧を調整し、すべり軸受の性能評価が可能です。この取り組みは、風車メーカーにとっては評価工数やコスト負担の軽減につながり、導入プロセスの簡素化を図っています。
バイメタル技術の活用
試験機の運用から得られるデータを活用して、大同メタルはその独自バイメタル技術を用いたPEEK複合材を新たな軸受材料として提案します。PEEKは、非常に高い耐熱性と摺動特性を持ち、化学薬品にも強い特性が期待されている素材です。このような材料の利用によって、風力発電の信頼性を向上させ、2050年までのカーボンニュートラルの達成に向けた貢献を目指します。
NEDOによる支援
さらに大同メタルは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金」にも採択され、次世代風車技術の開発に挑戦しています。これにより、大型風車の導入拡大と洋上風力発電のコスト低減を実現しようとしています。具体的には、約12億円の開発資金をもとに8億円の助成金を受け、風車の主軸受の滑り軸受化を進めています。
環境への影響
洋上風力発電の普及は、再生可能エネルギーの拡大を通じて地球環境にポジティブな影響を与えると期待されています。大同メタルの新たな試験機は、この技術革新に寄与する重要なステップとなります。新しい技術が導入されることで、風力発電の普及が進み、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた一助となるでしょう。
まとめ
大同メタル工業の取り組みは、今後の洋上風力発電の発展を牽引するものです。技術的な革新と環境保護の両立を目指し、持続可能な社会の実現に向けて前進しています。これからの動きに注目が集まる中、風力発電の技術が進化し続けることに期待が寄せられます。