障害者向けの新しい防災ワークブックの発行
大阪市に拠点を置くNPO法人、輪母ネットワークが新たに『障害のある人・配慮が必要な人と家族のための防災ワークブック』を発行した。こちらは2019年に発行された元のワークブックを大幅に加筆修正し、最新の防災情報を反映したリニューアル版である。
不安を可視化する「考える防災」
このワークブックの一つの特徴は、障害を持つ方やその家族が災害時に抱える不安を、具体的に項目ごとに整理している点だ。その内容は、 ◆衛生・トイレ ◆連絡・コミュニケーション ◆医療と薬 ◆飲み物と食料 ◆被災時の環境 に分けられ、それぞれに対する解決策も提供されている。これにより、「自分や家族ならどうするべきか」を考える機会を与えている。
防災計画を個別化する
また、ワークブックでは家庭の状況に応じて、地域の情報を基に防災計画を策定する方法も示されている。どのように情報を集め、膨大なデータをどう整理するかを分かりやすく紹介し、誰でも自分の家庭や地域に適した計画を立てられるように工夫されている。
限定無料配信キャンペーン
新刊の配信にあたって、AmazonのKindleで2月3日から5日までの期間、無料配信キャンペーンが実施される。通常500円のところ、この期間中は無料で利用可能だ。これにより、より多くの障害のある人やその家族、地域の支援者にとって実用的な防災ツールとして活用されることが期待されている。
防災活動への取り組み
輪母ネットワークは2011年の東日本大震災を受けて、障害児者とその家族のための防災活動に力を入れてきた。日本国内では様々な災害が頻発している中、彼らの活動は常に新たな情報に基づいて更新されている。今回のワークブックは、過去の教訓を踏まえつつ、日常に役立つ防災情報を盛り込んでいる。
団体の使命
NPO法人、輪母ネットワークは障害を持つ子どもたちを地域社会で育てることを目指している。発達障害や精神障害、医療的ケアを必要とする人々とのつながりを強化し、地域における孤立を防ぐための活動を展開。更に、障害のある人やその家族に必要な情報を提供し、安心して生活できる環境を整えることも目的としている。
お問い合わせ情報
この防災ワークブックの発行が、障害のある方やその家族、地域の支援者にとって防災活動の一助となることを心から願っている。