デジタルエチケット教育がマレーシアで始動
2025年2月、日本発の「10代のデジタルエチケット」プログラムが、マレーシア・トレンガヌ州の教育機関SMI Al Amin Kemamanで実施されました。このプログラムは、コンテンツと著作権に関する教育を目的にしており、日本国内やスウェーデンでの成功事例を元にしています。東南アジアでは初の導入ということで、注目を集めています。
SMI Al Amin Kemamanは、私立のイスラム系中高一貫校で、学生の個性と能力を伸ばすことを重視しています。地域の教育機関やコミュニティと連携しながら、国際的な教育の提供に努めています。今回のプログラムも、その教育理念の一環です。
プログラムの内容と目的
「10代のデジタルエチケット」プログラムは、AI生成コンテンツの著作権など、現代のデジタル社会における重要なテーマについて学ぶ機会を提供します。プログラムには、中学1年生から高校3年生までの生徒が参加し、デジタル空間での「創作の独自性」や「クリエイターの権利」を深く掘り下げました。
授業のファシリテーターはSMI Al Amin Kemamanの英語教員が務め、英語を使用して実施されました。生徒たちはAIを用いた画像作成のプロセスを学びながら、著作権や創作物に対する考えを深めていきました。「自分の作品は自分のもの」とするための意識を育むことを目的にしたこのプログラムは、生徒たちの新たな視点を開く手助けとなります。
授業の様子
授業の中で生徒たちは、自分たちで考案したキャッチコピーを用いてプロジェクトに取り組みます。また、授業中には「作品には敬意を払うべき」といった意見が交わされ、互いに学び合う姿勢が伺えました。
プログラムへの参加者からは、「著作権について初めて詳しく学べた」との声が寄せられました。特に、自らアーティストとして活動する生徒からは、自作品の重要性を理解し、著作権を守るための具体的な行動を考えるようになったとの意見がありました。この経験から、他者の作品を尊重する姿勢を育てる重要性が再認識されています。
教員の期待と感想
授業を担当した教員は、生徒たちが著作権についての知識を得ることで、デジタル世界における自己意識を高めることが期待されていました。生徒たちは積極的に質問をし、著作権の大切さを学ぼうとする姿勢が印象的だったと語っています。
「SNSを通じて著作権についての意識を広げることが、今後ますます重要になる」と強調する教員もおり、デジタルシティズンシップ教育の重要性が再確認されました。これからの生徒たちには、自分自身の行動がどのように影響を与えるかを常に考えることが求められるのです。
プログラムの意義
「10代のデジタルエチケット」プログラムは、単なる知識を提供するだけでなく、実際の行動に結びつけるための良い機会になっています。デジタル社会を生きる生徒たちが、自らの作品を守り、他者の作品にも敬意を払う意識を持つことが、今後ますます求められる時代において重要となるでしょう。教育機関がこのようなプログラムを導入することで、次世代のクリエイターを育成する土壌が整い始めているのです。