神戸市での新しい取り組み
2026年1月6日から、神戸市内の資源回収ステーション「エコノバ」で、アイスクリームやヨーグルト用の紙製食品容器の回収実証実験が始まります。この取り組みは、環境問題に取り組む「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」の一環として行われ、家庭から排出される紙製容器のリサイクルを促進する狙いがあります。
背景と課題
家庭から廃棄されるゴミの中で、紙ごみは約30%を占めている一方で、紙製食品容器のリサイクルは遅れています。その理由として、原材料の違いや食品残渣の影響から処理が難しいためです。このような現状を打開するため、東罐興業が主導する今回の実証実験が行われます。
実証実験の内容
実証実験は「エコノバ」の「ふたば」と「アズマ」の2拠点で実施され、参加者は使用済みの紙製食品容器を洗浄し、乾燥させたうえで専用ボックスに持ち込む必要があります。回収対象はアイスクリームおよびヨーグルトの紙容器に限定され、樹脂製の容器は対象外です。この取り組みにより、紙製容器の回収とリサイクルの実現可能性を検証します。
期待される成果
実証実験では、回収された紙製食品容器の品質や数量を評価し、効果的な収集方法を模索します。さらに、アンケート調査を行い、市民の意識や行動についても調べます。これらの結果は、今後の紙製食品容器のリサイクルシステム構築に向けた重要なデータとなります。
参加者の声
昨年11月には「エコノバ」で地域イベントが開催され、来場者にヨーグルトを配布した際、空容器の洗浄や分別回収が行われました。アンケート調査では、多くの参加者が「家庭で洗ってリサイクルに出したい」と回答し、地域住民のリサイクル意識の高さが測られました。
今後の展望
東罐興業は、この実証実験を通じて、将来的には家庭から排出される紙製食品容器の回収をネットワーク化し、地域全体で資源循環の取り組みを強化していく方針です。この実験が成功すれば、神戸市のサーキュラーエコノミー実現に大きく貢献すると期待されています。
企業の役割
「東洋製罐グループ」は、これまでにも持続可能な社会を目指した製品とシステムの開発を行っており、今回の実証実験もその一環といえます。環境問題にしっかりと向き合いながら、地域社会と共に成長し続ける姿勢を示しています。
今後も、その成果をもとに社会全体でのリサイクル意識を高め、より良い未来をつくる取り組みを進めていくことが期待されています。