沖縄戦から現在へ、沖縄の真実を紡ぐ一冊の書籍

沖縄の歴史と現在を見つめる『沖縄交差するまなざし』

2025年6月25日に、株式会社晶文社から新しい書籍『沖縄交差するまなざし――ジャーナリストが見つめた戦争と現在』が発行されます。この本は、戦後80年の時を迎えた沖縄の現在を浮き彫りにする重要な作品です。著者は沖縄に移住し、晩年の人生を捧げたジャーナリスト、藤原健氏です。

本書の背景とテーマ

沖縄戦は、沖縄県民の約4人に1人が命を失ったとされる悲惨な出来事でした。この「捨て石」とも称される沖縄は、現在も在日米軍基地の約7割が存在し、戦後も続く「占領」の現実がありました。沖縄は、これらの事柄を通じて日本の安全保障のあり方を問い続けているのです。

本書は、藤原氏が自身の末期がんと闘いながら、沖縄の人々の声を探求し、「沖縄の今」を伝えようとした記録でもあります。彼が伝えたいことは、歴史的な記憶に基づく「命の大切さ」であり、それを知ることで未来への道筋を考えることを目指しています。

目次と内容の概要

書籍は序章から第Ⅲ章まで構成され、沖縄戦をどう記憶するかという問いから始まります。具体的な章立ては以下の通りです。

- 序章: 沖縄戦をどう記憶するか
- 第I章: ウチナーンチュの誇りを持って
- 第II章: 記憶の掘り起こし
- 第III章: 民主主義を問う

それぞれの章では、沖縄戦の実相や、県民の声、現在に至るまでの沖縄の状況が丁寧に描かれています。

特に「記憶の掘り起こし」の章では、個々の人生の中に宿る「非戦」の思いと、戦争への強い決意が語られています。また、「民主主義を問う」章では、沖縄の歴史に隠された重要な事実を掘り下げ、現在の沖縄における自立の姿勢や若者たちの怒りを交え言及しています。