介護離職防止に向けた東急不動産グループの取り組み
はじめに
2025年に施行される改正育児・介護休業法を受け、TQコネクト株式会社と東急不動産ホールディングス、さらに東急イーライフデザインの協力のもと、社員向けのイベントが開催されました。このイベントのタイトルは「仕事と介護の両立 ― 親が70歳になったら知っておきたい7つのこと」とされ、介護と仕事を両立するための具体的な知識とスキルの提供が目的です。
イベント開催の背景
TQコネクトの副社長、江部宗一郎氏によれば、団塊世代が後期高齢者となる2025年には、多くの社員が介護を必要とする家族を抱えることになるとされています。介護離職が社会問題化する中で、企業にはこの問題に向き合うための雇用環境の整備が義務化されるため、今回のイベントはその先駆けと言えるでしょう。社員に対する理解と意識向上が目指されています。
イベントの内容と様子
イベント当日は、以下のようなプログラムが組まれました。
1. 介護体験の共有
松井康明氏は自身の介護体験を通じて、高齢の両親の老老介護や、施設探しの苦労などリアルな体験を語りました。「介護は突然始まるもの」という言葉には、多くの参加者が共感を寄せました。また、TQタブレットのような新しいコミュニケーションツールの価値についても言及し、遠方の家族にとの連絡手段としての可能性を示しました。
2. 介護に必要な7つのこと
大正大学の宮崎牧子教授は、介護のために親が70歳になる前に知っておくべき7つのことを紹介しました。この7つの要点は、準備の重要性から公的制度の理解まで、多岐にわたります。これらの知識は介護を行う上で欠かせないものであり、積極的に収集する姿勢が求められます。
3. 東急不動産ホールディングスの介護支援制度
今井優希氏は、企業が用意している介護支援制度を詳しく紹介しました。制度には休暇制度や労働時間短縮、各種給付金が含まれており、これにより社員は仕事と介護を両立しやすくなることが期待されます。
4. TQタブレットの紹介
江部氏が紹介したTQタブレットは、専門的な知識が無くても簡単に使えるテレビ電話機能を持つ製品です。この製品の特長は、使い手がボタンを押すことなく、家族からの電話に自動で応答できる点にあります。これにより、遠方に住む親との連絡がよりスムーズになると期待されています。
5. シニア向け住宅の紹介
堺恭子氏が運営するシニア向け住宅「グランクレール」シリーズについても紹介され、介護の初期段階での正しい支援の重要性が強調されました。身体的、精神的健康を両立させるためのアプローチが多くの参加者に響いたようです。
参加者の声
イベントの終了後、参加者からは充実した内容に満足の声が寄せられ、「今後の介護に関して必要な情報を得ることができた」との感想がありました。実際の体験談が共有され、参加者同士の交流も進むなど、非常に実りある時間となったようです。
結論
本イベントは、東急不動産ホールディングスのグループ企業が連携し、社員の意識を高める試みとして大きな成果を上げました。介護離職防止に向けた具体的な支援策が提示されたことで、今後も同様のイベントが増えることが期待されます。社員の介護に対する理解が深まることで、社会全体においても多くの人々が利益を享受できるでしょう。