株式会社Wishと株式会社ジーンクエストが食品臨床試験の推進を目的に業務提携契約を締結しました。この提携により、遺伝子情報を活用した臨床試験の募集支援が実現し、新しい機能性食品の開発が加速されることが期待されています。
提携の背景とサービス内容
新しい機能性素材を活用した特定保健用食品や機能性表示食品の開発には、安全性への配慮が求められており、その一方で機能性を科学的に裏付ける効率的なエビデンスの取得がますます重要視されています。株式会社Wishとジーンクエストは、モニターの遺伝情報を適切に活用し、包括的な試験設計を実施することで、安全かつ効果的なエビデンス取得を目指します。この新たなサービス体系では、遺伝情報の活用を通じて、従来の臨床試験開発の効率性と安全性向上に寄与します。また、新しい個別化栄養のための素材探索や開発も可能となります。
渡される効果
この提携により、機能性素材の効果を検証する際に遺伝的な応答者や非応答者の存在を分析することができ、作用機序に関する詳細な考察が可能となります。また、遺伝情報は一生変わらないため、過去の臨床試験の効果を再評価する際にもこの情報を活用することができます。
さらに、参加者の遺伝的特性を考慮することで、食品素材の機能性や副作用に関する個人差を考慮したより安全な臨床試験が実現します。このアプローチにより、より高解像度の安全性評価が行われることが期待されます。
遺伝情報を使った新しい食品素材の開発や個別化栄養につながる商品企画のサポートも進められます。現在、国内における遺伝子検査の受検人数は約50万人に達していますが、個人の体質に見合った機能性素材のエビデンスは不足しているため、精密なデータの収集が肝要です。
今後の展望
この新サービスは、Wishが運営する臨床試験ボランティアプラットフォーム「モニタン」を通じて試験的に展開され、今後はWishが支援するすべての臨床研究プロジェクトに向けて普及させることが目指されています。
企業情報
株式会社Wishは、臨床試験における試験参加者の募集支援を主な業務としており、健康食品やヘルスケア製品の開発におけるモニタリングサービスを提供しています。設立以来、8万人以上の自社会員パネルを活用し、幅広い世代へのリーチを実現しています。一方で、株式会社ジーンクエストは、360項目以上の遺伝子を調査し、個々の体質を把握するサービスを提供し、人々の生活の質を向上させることを目指しています。これらの取り組みにより、個別化栄養に向けたより優れた食品素材の開発が期待されます。