神戸発のAI技術が世界に広がる
株式会社Godot(ゴドー)は、兵庫県神戸市に本社を置くスタートアップです。2022年に設立され、行動科学とAI技術を融合させたディープテックの開発に注力しています。そんなGodotが2025年9月3日からオーストリアのリンツ市で開催される「アルス・エレクトロニカ・フェスティバル2025」に出展し、AIインスタレーション「Alter.Ego」を披露することが大きな話題となっています。
このフェスティバルは1979年に設立された、メディアアートと科学、テクノロジー、社会が交差する世界最大規模のメディアアートイベントです。実際に世界中のアーティストや研究者が集い、未来社会への問いを深める場となっています。
Alter.Egoとはどんなインスタレーションなのか?
Godotが出展する「Alter.Ego」は、従来のゲーム体験とは一線を画したインタラクティブなクレーンゲームです。ここでのポイントは、単なるコントローラーを操作するのではなく、自律型AIロボットとの対話を通じて、参加者が協力し合うという新たな体験を提供することです。実際に、参加者はAIロボットとコミュニケーションを取りながら、景品ボールを獲得することに挑戦します。この過程で、AIロボットの性格やコミュニケーションのパターンが、参加者にどのような影響をもたらすのかを探求すると同時に、AIとの信頼関係の構築の重要性も体感できる機会となっています。
自己認識に迫る対話体験
「Alter.Ego」では、鑑賞者がAIと対話を重ねることで、自分自身の内面に向き合うことができます。「なぜ自分はそう感じたのか」「どうしてその選択をしたのか」といった自己理解のプロセスを、AIの解釈を通じて視覚や音声として提示されます。このように、ただ遊ぶだけでなく、自己探求の楽しさを感じさせる仕組みになっているのが本作の特色です。
この出展は、Godotが描く「共感を拡張するテクノロジー」を実現するための国際的な発信とも言えるでしょう。パネルディスカッションに登壇する代表の森山健氏は、AIによる社会課題解決についても意見を述べ、今後の発展を期待されています。
未来への応用と展望
「Alter.Ego」は、教育や医療、福祉、創作支援など多岐にわたる分野への応用が視野に入っています。Godotは「人とAIの共創」や「ロボットの心」というテーマに基づき、未来に向けた研究開発を進めています。
神戸から生まれたこの挑戦は、国内外からの注目を集めており、AI技術の新たな可能性を模索する多くの人々にインスピレーションを提供することでしょう。Godotは今後も、テクノロジーの力を通じて人々がより良く生きられる未来を創造していくことを目指しています。会場では、実際にこの新しい体験を楽しむことができるので、訪問者はその目で確かめることができるでしょう。