三菱商事とENEOSがハワイでRenewable Fuel事業に参加
三菱商事株式会社とENEOS株式会社は、米国ハワイ州のPar Pacific Holdings, Inc.が計画するRenewable Fuel製造及び販売事業に共同で出資することを発表しました。この出資は約150億円に及び、両社の持分比率は36.5%となります。この合弁事業は「Hawaii Renewables, LLC」と名付けられ、Renewable Fuelの製造・販売を行います。
Kapolei製油所の役割
ハワイ州において唯一の製油所であるKapolei製油所は、既存の精製設備と物流機能を活かし、今後Renewable Fuelの製造を開始するために設備の改修が進められています。このプロジェクトでの目標は、年間約15万KLの持続可能な航空燃料(SAF)の生産であり、燃料の需要に応じて、SAFや再生可能ディーゼル、再生可能ナフサなどを柔軟に製造していく計画です。
SAF需要の拡大
国際民間航空機関(ICAO)が導入しているCORSIAプログラムを背景に、SAFの市場は今後も堅調に成長すると見込まれています。特にハワイ州は、航空需要が長期間にわたり安定している地域とされ、今後SAFの必要性が高まると考えられています。
各社の強みを活かした取り組み
この共同事業では、Par Pacific社が持つ製油所運営に関する専門知識に加え、米国西海岸での販売ルートが活かされます。また、三菱商事の原料調達や燃料マーケティングに関する広範なネットワーク、ENEOSの石油精製と販売の実績が組み合わさることで、持続可能な社会へ向けた明確な貢献が期待されます。
企業概要
Par Pacific社
Par Pacific Holdings, Inc.(NYSE: PARR)はテキサス州ヒューストンに本社を構え、北米を中心にRenewable Fuelや石油精製製品を提供しています。米国内に4つの製油所を有し、1日あたりで約21万9,000バレルの製油能力を誇ります。また、ハワイでは「Hele」ブランドのガソリンスタンド及び「nomnom」ブランドのコンビニエンスストアを運営しています。
三菱商事株式会社
三菱商事は、エネルギーから食品、社会インフラ、モビリティまで多岐にわたるビジネスを展開。地球環境やエネルギーの分野で持続可能な取り組みを進めています。
ENEOS
ENEOSは、エネルギーと素材の安定供給を使命とし、カーボンニュートラル社会の実現に向けた活動を強化しています。国内外でSAFに関わるプロジェクトを推進し、持続可能な燃料の普及を図っています。
まとめ
三菱商事とENEOSが共同で展開するこのプロジェクトは、ハワイ州におけるRenewable Fuelの生産を通じて、世界的な環境問題の解決に向けた重要な一歩となるでしょう。両社の戦略的提携は、脱炭素社会の実現に向けた大きな貢献として注目されます。