水素燃料電池ドローンが切り拓く物流の未来
2023年11月、株式会社ロボデックスが日本初となる水素燃料電池ドローンの試験飛行を成功させ、未来の物流を大きく変える可能性を秘めています。このドローンは、環境に優しい飛行を実現するために、水素燃料を利用しており、長時間の飛行時間が期待されています。
高圧容器の重要性と安全対策
水素燃料電池ドローンには、水素貯蔵用の高圧ガス容器が必要です。この容器は、特定の高度以上での飛行を可能にするためには、落下した際の事故を防ぐための安全対策が不可欠です。そこで、高圧ガス保安協会からの事前評価を経て、経済産業省大臣から特認を取得しました。そして11月18日、神奈川県茅ケ崎市で実際の試験飛行が行われ、54分間の浮上に成功しました。
環境への配慮と飛行の持続性
従来のリチウムイオン電池を使用したドローンが最大で15分程度の飛行に留まる中、ロボデックスの水素燃料電池ドローンは、60分から80分の飛行が可能です。さらなるテストでは最大80分の飛行を達成しており、今年度中には2時間飛行を目指しています。このように、長時間の飛行が可能になることで、ドローン物流の実現が現実味を帯びてきています。
国内唯一のワンストップサービス
ロボデックスは、燃料電池ドローンの開発から製造、販売、さらには許認可サポートまで、一貫して行うことができる国内唯一の企業です。2019年に英国のインテリジェント・エナジー社と提携したことで、クリーンで効率的な燃料電池の技術を活用することが可能となりました。これにより、農業や建設、物流、防災など、多様な分野でのドローン活用が期待されています。
未来のインフラと連携を見据えて
ロボデックスは、カーボンフリーで環境に優しいドローンの飛行を進めるだけでなく、水素供給インフラの整備にも取り組んでいます。また、物流ドローンの実証実験を行っている各社との連携を強化し、国内のドローン産業の発展を加速させることに注力しています。
日本初の飛行ドローンの詳細
- - 最大離陸重量:15.5kg
- - 対角寸法:1668mm
- - 最大速度(無風):65km/h
- - 最大伝送距離:3.5km
- - 燃料電池出力:2400W
- - 水素容量:4.7L
- - 最大飛行時間:60-80分
水素燃料電池ドローンは、これまで利用の難しかった環境への配慮と効率的な物流を両立させることができる、画期的な技術です。今後の発展が非常に楽しみです。
ロボデックス概要
- - 社名:株式会社ロボデックス
- - 代表:貝應大介
- - 所在地:神奈川県横浜市旭区上川井町2176
- - 設立:2019年6月20日
- - 事業内容:産業用ドローンに関する研究および開発・販売