乱歩と千畝の物語
2025-05-14 11:26:04

青柳碧人が描く江戸川乱歩と杉原千畝の友情物語の新刊発売

青柳碧人が手がける長篇小説『乱歩と千畝─RAMPOとSEMPO─』が、2025年5月14日に株式会社新潮社から満を持して発売されました。この作品は、著名なミステリー作家である江戸川乱歩と、外交官として知られる杉原千畝との意外な接点を基にして描かれた物語です。

江戸川乱歩(1894-1965)は、日本ミステリー界に大きな影響を与え、多くの名作を生み出した巨匠です。一方、杉原千畝(1900-1986)は、ナチス・ドイツの迫害を受けたユダヤ人に対してビザを発給し、多くの人命を救った、いわば“東洋のシンドラー”と称される人物です。この二人が同時代に生き、同じ教室で学びながらも、果たして友人として出会うことができたのか?
この問いに青柳碧人は、独自の視点で答えを導き出します。

『乱歩と千畝』の物語は、彼らが高校時代に辿った道を描きながら、時代に翻弄される彼らの人生を交錯させ、友情を描く壮大なストーリーです。著者独特の明るく親しみやすい文体によって、読者はあっという間に物語の世界に引き込まれ、本書は青春小説としても、人生の物語としても魅力的です。

特に注目すべきは、2025年が江戸川乱歩にとって没後60年、杉原千畝にとってビザ発給から85年のメモリアルイヤーであること。これを反映した内容が、本書の中でも丁寧に描かれており、歴史的文脈が色を添えています。乱歩の活動や晩年、千畝の葛藤がリアルに表現されており、二人の人生が美しく交差する様子に心が打たれます。

物語の中では、江戸川乱歩と杉原千畝が早稲田大学で先輩後輩の関係にあったことや、共に通った旧制愛知五中(現・瑞陵高校)の話も織り交ぜられ、二人の意外な関係性が明らかになります。このような背景が作品の魅力を一層引き立てており、読者に新たな視点を提供します。

さらに興味深いのは、物語の中に実在の歴史的な人物たちが実名で登場する点です。横溝正史や松本清張など、文学界の巨星たちが登場し、違った側面から物語を彩ります。政治界の人物や外交官たちも作品に絡むことで、リアルな歴史的背景が感じられ、読み応えある内容になっています。

著者の青柳碧人さんは、特に軽快で明るいミステリー作品で知られており、自らのスタイルに新しい挑戦を仕掛けています。直木賞作家・門井慶喜氏が評価するように、本作は青柳さんの新境地ともいえ、今後の作品においても期待を抱かせる一冊となっています。また、装画を手がけるのは、著名な漫画家である鳩山郁子さんで、本書の世界観を視覚的にも楽しませてくれます。

本書『乱歩と千畝』は、江戸川乱歩と杉原千畝、二人の知られざる友情を描いた感動の物語です。ふたりの若き日に思いを馳せ、彼らの真の友の姿をぜひとも体感してみてください。泣き笑いできる傑作として、多くの読者に感動を届けることでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社新潮社
住所
東京都新宿区矢来町71
電話番号
03-3266-5220

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