環境を重視した新たなハウスクリーニング「エシカルノーマル」
近年、環境問題が深刻化する中で、私たちの生活の一部であるハウスクリーニング業界においても変革の必要性が叫ばれています。しかし、依然としてプロのクリーニングには化学洗剤に依存している現状が続いています。そんな中で、全く新しいアプローチを持つ企業「エシカルノーマル」が登場しました。
ハウスクリーニング業界の変化
この10年でハウスクリーニング市場は、家事代行サービスを含む新しい需要の高まりによって、約10倍にまで成長しました。しかし、急成長を遂げた背景には「より早く、より安く」といった効率を重視する風潮が影響しています。その結果、業界全体が強力な洗剤や薬剤を使う方向へとシフトしてしまいました。
例えば、プロが使用する酸性洗剤をトイレ掃除で300ml使用すると、環境への影響を無くすためにはなんと2300万リットルもの水が必要だという調査結果もあります。これは、約64リットルの25メートルプールに相当します。このような事実を考えると、化学物質がもたらす危険性も無視できません。
特に、アレルギー体質の方や小さな子供、高齢者、室内でペットを飼っている家庭にとって、こうした化学物質の使用は重大な問題となります。
逆行する現状への疑念
環境が叫ばれる時代に、クリーニングの現場が外部環境に配慮しない姿勢を貫いていることは、まるで車からゴミを捨てる人と同じであるかのように感じます。この矛盾に対する強い違和感が、「エシカルノーマル」の誕生のきっかけとなったのです。
「エシカルノーマル」の取り組み
「エシカルノーマル」は、洗剤を使わないか、もしくは大手バイオ洗剤メーカーと共同開発したオリジナルのバイオ洗剤を使用。人や動物、環境に優しいハウスクリーニングを提供しています。また、全てのユニフォームはリユース可能なものを使用し、業界全体のエシカルな改革を目指しています。
さらに、10Rという基準に基づき、全ての活動を行っていくことも重要なプロミスとして掲げています。10Rとは、以下の10の概念に基づく取り組みです。
- - Rethink(再考): 必要なものだけを見極めること
- - Refuse(拒否): 不要なものを断ること
- - Reduce(減少): 資源の無駄を省く
- - Rental(借りる): 頻繁に使わない物は貸し借り
- - Reuse(再利用): 使い古した物も再利用
- - Repair(修理): 修理できるものは直して使う
- - Rebuy(再購入): リユース品の購入
- - Recycle(リサイクル): 資源再利用
- - Regeneration(再生): バイオの概念を再評価
- - Recreate(創造): 環境に配慮した楽しみ方
「エシカルノーマル」は、こうした基準を持ちながら、まずは関西から業界を変えていこうとしています。また、移動手段にも配慮し、環境に優しい電動バイクを利用しています。
まとめ
「エシカルノーマル」は、ただのハウスクリーニングではなく、環境や人々への配慮を重視した新しいアプローチを持った企業です。この動きは、クリーニング業界にとって新たな可能性を開くものであり、持続可能な社会の実現に向けた第一歩となることでしょう。今後の展開に期待が寄せられます。