顧客管理ツール導入の実態と中小企業が求める機能とは
中小企業において顧客情報の管理は非常に重要です。顧客管理ツールが効率的なデータ管理を可能にすることは多くの企業で認識されており、実際の導入状況や利便性について調査が行われました。この調査は、株式会社SMBが提供する社員育成システム「BizLib」に関連するもので、2023年の8月に1,062名の営業職を対象にしたものです。
顧客管理ツールの導入状況
調査によると、中小企業における顧客管理ツールの導入率は約6割に達しています。具体的には、56.9%の回答者が『導入している』と答え、34.3%は『導入していない』、8.9%は『以前導入していたが、現在は使用していない』と回答しました。この結果からも、顧客管理ツールが多くの企業で利用されていることがわかります。
さらに、顧客管理ツールを使っている人に対してその利便性を聞くと、全体の85%近くが便利さを感じているとの結果が出ました。具体的には、54.7%が『やや便利である』、30.0%が『とても便利である』と回答しました。また、導入したことで得られる利点は多く、最も多かったのは『情報が一元管理できる』というもので、さらに『情報共有がしやすい』『詳細な情報把握が可能』と続きました。
未導入企業の理由と今後の展望
調査の中で顧客管理ツールを導入していない企業にその理由を尋ねたところ、最も多かった回答は『メリットが分からない』というものでした。この他にも、『ランニングコストがかかる』『導入時の人的コストが高い』『必要な機能がない』などの理由が挙げられました。
一方で、今後の顧客管理ツールの導入予定については、72.2%が『ない』と回答しました。この結果は、導入を検討できる余地が少ないことを示しています。つまり、現在の顧客管理方法に不満はないものの、デジタル化への意識が足りない企業も多く存在しているということです。
導入経験のある企業の苦言
過去に顧客管理ツールを導入したものの使用を停止した企業に対して理由を尋ねたところ、最も多かったのは『システムがわかりづらい』というものでした。次いで『入力項目が多い』『操作が煩雑』『ランニングコストが高い』といった理由が続きました。このような問題点から、企業は一度導入した顧客管理ツールを使いこなせずに、運用を断念したケースが多いことがわかりました。
再導入に向けたニーズ
顧客管理ツールの必要性をどのように感じているか訊ねたところ、62.7%が『やや感じている』と回答し、約7割の人が再び導入を検討する意向があると示されました。再検討する条件としては、分かりやすいマニュアルや簡素な入力項目、機能のカスタマイズが可能などが挙げられています。これにより、実際に使用する際の負担を軽減し、運用効率を高める工夫が求められています。
営業職の方々が最も重視しているのは『スピード対応』です。情報管理がデジタル化されれば、このスピードも上がります。つまり、顧客管理ツールがしっかりと機能すれば、営業の効率が飛躍的に向上する可能性があるのです。
まとめ
この調査からは、中小企業における顧客管理ツールの導入状況が明らかになりました。約6割の企業がすでに導入しており、そのうち多くがその便利さを実感しています。一方で、未導入企業には導入の障壁があり、過去に導入したが現在は運用できていない企業も多く存在します。しかし、顧客管理ツールの必要性を感じている方が多数いるという点は明るいニュースです。
営業を支援するツールが利用しやすくなることで、中小企業の営業活動が一層活発化し、顧客との関係性が深化することが期待されます。顧客管理のデジタル化は、今後さらに進むべき道であると言えるでしょう。
今回実施した調査は、株式会社SMBが行った中小零細企業の営業実態に関するもので、今後も企業の成長に寄与する情報を発信していきます。