Dynamis PRCの電動レーシングカー
2021-12-06 18:00:03

Dynamis PRCがVicorと共に革新を遂げた電動レーシングカーの試作

Dynamis PRCとVicorによる電動レーシングカーの革命



イタリアのミラノ工科大学に所属する学生フォーミュラチーム、Dynamis PRCが、米国のVicor Corporationと協力し、電動レーシングカーの試作に成功したことが発表された。この取り組みは、レーシングカーのパワーと軽量化を同時に実現するものであり、学生たちの技術力と創造性を結集した結果である。

Dynamis PRCの背景



Dynamis PRCは、100人以上の熱意ある学生から成るチームで、毎年学生フォーミュラ大会に向けて新たなレーシングカーを設計、製造している。これまでに15年にわたり内燃エンジンでの出場を続け、内燃エンジン部門で世界ランキング4位、イタリア国内での首位獲得の実績がある。

そんなDynamis PRCは、内燃エンジンから電動へと移行することで、更なる性能向上を目指した。軽量化はこの新しいデザインへの大きな一歩であり、その結果、従来の20kg以上のエンジンを、各ホイールに搭載する3.5kgの電気モーター4基に置き換えた。

先進的な電動システムの設計



新しい電動レーシングカーには、ソニー製のVTC6セル660個を使用した蓄電池が搭載されており、これにより550V程度の電圧を供給することが可能になった。また、12Vの低電圧を供給するためのLiFePO4バッテリーも装備し、様々な電子機器への電力供給を実現している。

ただし、低電圧の管理は困難な課題であり、それを解決するために既存の12V回路を通じて車載のPCBやセンサーに給電する方法を適用した。さらに、2つのDC-DCコンバータモジュールを使って、高電圧蓄電池からの電圧を降圧し、冷却システムや他の機器に必要な電力を高効率で供給している。

Vicorのサポートと技術



Dynamis PRCは、最適なDC-DCコンバータを見つけるために、入念な調査を行い、その結果、VicorのDCM4623を選定。Vicorの技術は高い信頼性を誇り、特にレース中のバッテリー放電による電圧変動に対応できるシステムを提供する。チームの電子機器担当者であるマルタ・ブラゴット氏は、「Vicorは設計のサポートも行ってくれ、その技術的な助けが非常に心強かった」と語っている。

未来への展望



今後の計画としては、48Vと12Vのデュアル低電圧システムの導入が予定されており、高電圧蓄電池の電圧をVicorのモジュールを用いて降圧することで、性能向上をさらに進める見込みだ。Dynamis PRCは今後も革新を追求し、持続可能な未来に向けた技術開発に取り組んでいく。

この成功により、Dynamis PRCは学生フォーミュラの中でも一層注目を浴びる存在となり、その技術力を広くアピールすることが期待される。彼らの挑戦が今後どのように発展するのか、目が離せない。

公式プレスリリースについては、こちらのVicorウェブサイトで確認できる。

おわりに



Dynamis PRCが取り組んでいる電動レーシングカーの試作は、パワーと軽量化の両面で画期的な成果を挙げ、今後の自動車産業と学生教育への影響が大きく期待される。未来のエンジニアたちが技術の限界を挑戦し、持続可能なモビリティを実現するために、Dynamis PRCの活躍に注目したい。

会社情報

会社名
Vicor株式会社
住所
品川区西五反田8-9-5FORECAST五反田6F
電話番号
03-5487-3016

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