新たな形で生まれ変わるアクリルパネル
リゾートトラスト株式会社(愛知県名古屋市)は、アフターコロナによって不要となったアクリルパネルを新しい用途で活用する方策を模索しています。この活動は、外部パートナーの協力のもと、全国の事業所から回収した4,769枚のアクリルパネルを対象に行われ、半分はお客様向けの体験コンテンツにリサイクルし、残りの半分は日本赤十字社を通じて医療機関へ寄付されます。
アクリルパネルの総数は24トンに上り、従来廃棄処分を行った場合と比べると、年間の廃棄物総量を2%、CO2排出量を65トン削減する効果が見込まれています。リゾートトラストは「廃棄プラスチック・食品ロスの低減」を重要課題に掲げており、事業の中で出るプラスチックや食品のごみを減らすための様々な工夫を進め、地域社会の課題解決に貢献していく方針です。
笑顔を生み出すリサイクルイベント
この取り組みの一環として、2024年8月に長野県茅野市の会員制リゾートホテル「エクシブ蓼科」で「お絵描きボード/写真立て」を制作するイベントを開催しました。このイベントでは、株式会社ごみの学校にアクリルパネルの回収とアップサイクルの方針検討を依頼し、一般財団法人西粟倉むらまるごと研究所がツールの企画デザインを担当しました。
参加者はアクリルパネルを2枚重ねて、その間に自然の草木を挟んだり、自由にお絵描きができる楽しめる作品を作り出しました。特に、お子様をターゲットにしたこの製作イベントは、自然体験とWDGs(持続可能な開発目標)について学べる貴重な機会となりました。参加者からは「パネルの再利用なんて、素晴らしい取り組みですね」といった驚きの声や「この夏に、ここ蓼科で作ったという価値がある思い出になりました」といった感想が寄せられました。さらに、今後もエクシブ蓼科で制作体験が実施される予定で、クリスマスなど様々なイベントでの活用が計画されています。
地域資源を活用したさらなる活動
エクシブ蓼科では、昨年度からホテルのレストランで発生した食品ゴミを堆肥化し、地域生産者と連携してリサイクルループの実現に取り組んでいます。今年はスイートコーンの収穫を行い、館内での販売やレストランのメニューに提供しました。また、にんじんやじゃがいもなどの収穫体験も実施し、地域の活性化や環境保全への意識を高める活動を継続しています。
リゾートトラストの取り組みは、再利用を通じて地域社会の環境問題に対処する新しい道を切り開いており、今後も多くの人々に笑顔を届ける活動を扩げていくことでしょう。