ガザ地区でのポリオ感染確認、ユニセフがワクチン接種計画を発表

ガザ地区でポリオ感染が25年ぶりに確認

2024年8月16日、パレスチナ・ガザ地区で25年ぶりにポリオ感染が判明しました。感染が確認されたのは、伝播型ワクチン由来ポリオウイルス2型（cVDPV2）で、これに対抗するためにユニセフなどの組織は、2024年の8月末から9月にかけて、ガザ全域で2段階の集団予防接種を実施する計画を発表しました。

ユニセフの要請

ユニセフは、ポリオワクチンの接種を実施するためには、全ての紛争当事者に対して7日間の人道的休戦を求めています。この休戦が実現することで、子どもたちや家族が安全に保健施設にアクセスできるようになり、地域の保健スタッフも接種ができない子どもたちに出向くことが可能になります。人道的休戦が実施されなければ、予防接種は行われません。

予防接種計画の詳細

予防接種は、パレスチナの保健省とユニセフなどの協力のもと、10歳未満の子ども64万人以上を対象に、新型2型経口生ポリオワクチン（nOPV2）を使用し、各接種で2滴投与される予定です。感染ウイルスは2024年7月に検出され、ガザ地区では急性弛緩性麻痺（AFP）の症状が出た子どもも3人報告されています。

160万回分を超える効果的なnOPV2ワクチンは、イスラエルのベングリオン空港を経由し、8月末までにガザ地域に届けられる予定です。この輸送プロセスがスムーズに機能することが不可欠で、新型ワクチンの供給が接種に間に合うことが求められています。

健康状態の危険性

ガザ地区では、戦時中の厳しい状況下で、食料不足や衛生状態の悪化が見られ、今後の接種活動には多くの課題が残されています。十分な現金や燃料、情報提供のための機能的な通信ネットワークが必要です。加えて、ポリオウイルスの監視体制強化や定期予防接種の拡充も進められています。

社会的影響と今後の展望

ガザ地区は過去25年間、ポリオの発生がありませんでしたが、最近では人道支援団体が警告を発する中、再度の流行が懸念されています。特に、最近の戦闘で予防接種率が低下していることも、子どもたちに対するリスクを高めています。定期接種が中断され、免疫力が低下している状態で、ポリオウイルスの感染が広がる危険性が増しています。

さらに、ガザ地区の医療機関や水・衛生 infra の破壊により、ポリオの感染リスクは非常に高い状態にあります。ポリオの予防接種活動を成功させるためには、全体の接種率が少なくとも95％に達することが求められています。これは極めて重要な目標であり、成功に向けた努力が必要です。