詩の名手が贈る、心をつなぐメッセージ
2023年12月15日、株式会社世界文化社から詩集『すきがいっぱい』が発売されます。この詩集は、詩人の谷川俊太郎さんと直木賞作家の西加奈子さんが交互に書きおろした詩の往復書簡を集めた作品です。本書は、保育雑誌『PriPri』で連載されていた「詩のこだま」をもとにしており、言葉の楽しさを初めて経験する子どもたちに向けて発信されています。
子どもたちへの温かい詩の贈り物
連載は2022年5月号から始まり、2024年8月号まで2年以上にわたり続きました。その間、谷川さんと西さんはそれぞれの想いや感性を詩に込めており、子どもたちに寄り添う形で言葉が交わされました。特に谷川さんの最後の詩「すき」には、子どもたちに向けての心からの呼びかけが込められています。この詩に対して西さんが返した詩が「すきがいっぱい」であり、二人の思いが一つとなってタイトルへと繋がっています。
イラストで広がる詩の世界
また、西さんによる描き下ろしの挿画もこの詩集の魅力の一つです。色とりどりのビジュアルが詩の世界を豊かに表現しており、子どもたちの想像力をかきたてます。さらに、装丁は著名なデザイナーである鈴木成一さんが手がけており、見た目でも楽しめる一冊に仕上がっています。この詩集は、初めて言葉に触れる子どもたちはもちろん、大人たちにとっても心に残る作品となるでしょう。
著者紹介
谷川俊太郎さんは1931年に東京で生まれ、1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』を発表しました。それ以来、詩集や絵本を100冊以上刊行し、一貫した詩作を続けてきました。彼は2024年に92歳で永眠されましたが、詩の世界に残した足跡は今も多くの人々に影響を与えています。
対する西加奈子さんは1977年にテヘランで生まれ、大阪で育ちました。2004年にデビューし、その後も数々の賞を受賞するなど、日本の文学界で確固たる地位を築いてきました。2023年には初のノンフィクション作品「くもをさがす」を執筆しており、多彩な表現力で知られています。
作品情報
『すきがいっぱい』はB5変型、56ページで、定価は1,870円(税込)です。手に取りたくなる美しい装丁と、心温まる詩の数々をぜひお楽しみください。
この詩集によって、多くの人が言葉の魅力を再発見し、心に響く瞬間を味わえることでしょう。