国際コンテナ戦略港湾の集貨拡大!- 全国輸出入コンテナ貨物流動調査結果からみた国際海上コンテナ物流の現状 -
国際コンテナ戦略港湾の集貨拡大!- 全国輸出入コンテナ貨物流動調査結果からみた国際海上コンテナ物流の現状 -
国土交通省が発表した「全国輸出入コンテナ貨物流動調査」の結果から、国際コンテナ戦略港湾の利用率が拡大していることが明らかになりました。
今回の調査では、前回の平成30年度調査と比較して、輸出入における国際戦略港湾の利用率が増加したほか、長距離輸送(北米・欧州・中南米・アフリカ・大洋州方面)貨物における国際フィーダー航路の利用率も増加しました。
国際コンテナ戦略港湾とは?
国際コンテナ戦略港湾とは、京浜港(東京港、横浜港、川崎港)と阪神港(大阪港、神戸港)のことで、北米・欧州航路をはじめ、中南米・アフリカ等多方面・多頻度の直航サービスを充実させることで、我が国のサプライチェーンの強靱化を図り、グローバルに展開する我が国立地企業のサプライチェーンマネジメントに貢献することを目指しています。
調査結果から見えてきた国際海上コンテナ物流の現状
今回の調査結果から、以下の点が明らかになりました。
我が国の外貿コンテナ貨物取扱量の港湾別のシェアは、国際戦略港湾(京浜港・阪神港)の割合が59.7%となり、前回調査(57.7%)から増加しました。
外貿コンテナ貨物量の国別(仕向国・原産国別)のシェアは、前回調査と比較して中国・韓国等が減少し、インド・ベトナム等が増加しました。
国際戦略港湾である京浜港は東日本全体、阪神港は西日本全体を広く背後圏としており、引き続き、我が国の輸出入を支える基幹インフラとして機能しています。国際フィーダー航路が新たに開設された生産地・消費地の貨物の国際戦略港湾の利用割合が増加し、京浜港では東北地域、阪神港では秋田県・熊本県からの利用割合が増加しました。
長距離輸送(北米・欧州・中南米・アフリカ・大洋州方面)貨物について、国際戦略港湾(京浜港・阪神港)と国内各港を結ぶ国際フィーダー航路を利用した貨物量の割合は54.2%となり、前回調査(30.6%)から大きく増加しました。
国際コンテナ戦略港湾政策の取り組み
国土交通省では、国際コンテナ戦略港湾政策の取り組みを推進しています。
集貨:北米・中南米地域向けの貨物を中心とした、東南アジア等からの広域集貨に向けた輸送ルートの構築、コンテナターミナルの一体利用の推進
創貨:国際トランシップ貨物にも対応した、流通加工・再混載等の複合機能を有する物流施設の立地支援及び物流手続きの円滑化
* 競争力強化:大水深・大規模コンテナターミナルの形成、国の主導による生産性向上と労働環境改善に資する荷役機械等の技術開発及び実装等によるDX の推進
今後の展望
国際コンテナ戦略港湾は、我が国の国際海上コンテナ物流において重要な役割を果たしています。今後も、国際フィーダー航路の利用促進や、物流施設の整備などを通じて、国際競争力を強化していくことが期待されます。