兼松株式会社、次期初等練習機2機を受注
兼松株式会社は12月12日、防衛装備庁と次期初等練習機2機に関する売買契約を締結しました。この契約に基づく機体は、米国のTextron Aviation Defense LLC.社製Beechcraft T-6 Texan IIです。T-6は、現在自衛隊が運用するT-7初等練習機に代わるもので、2029年3月の引き渡しが計画されています。
初等練習機は、航空自衛隊のパイロット教育課程において使用され、基本的な操縦技術を習得するために欠かせない存在です。パイロットの初期訓練段階で、離着陸から計器飛行、編隊飛行に至るまで、多岐にわたる訓練が行われています。これにより、将来的に国防を担うパイロットの育成に貢献しています。
選定されたT-6機は、世界中で1,000機以上が製造されており、累計で5百万時間以上の飛行実績を持つことから、高い信頼性が示されています。また、T-6は高度な訓練に対応できる性能と堅牢性を持ち、2001年の初号機が世に出て以来、アメリカ空軍や海軍を含む14か国で利用されてきました。
兼松は、昨年防衛省が実施した次期初等練習機及び地上教育器材の提案要求に対し、性能やコスト面での総合評価を経て本契約を勝ち取りました。この結果は、兼松が航空・宇宙事業において数十年の歴史を持つことによるものです。特に、Textron Aviation Inc.との関係は30年以上にわたり、特殊任務機や関連部品などを官庁向けに供給してきました。
今後、兼松は蓄積した知見と専門性を活かし、国内外のネットワークを駆使して日本の防衛力強化に取り組んでいく方針です。
Beechcraft T-6 Texan IIの主要仕様
- - 全幅: 10.2m
- - 全長: 10.16m
- - 全高: 3.25m
- - 最大巡航速度: 585.23km/時
- - 最大運用高度: 9,448.8m
- - 最大離陸重量: 3,765kg
- - エンジン: PT68A-68(1基)
- - 航続距離: 1,637km(増槽タンク搭載時)、最大2,559km
調印式には、兼松の常務執行役員である城所僚一氏とTADのTravis Tyler氏が出席し、両社の連携強化も印象的でした。
会社概要
Textron Aviation Defense LLC.は、アメリカ合衆国カンザス州に本社を置き、軍用航空機の開発・設計・製造などの事業を展開しています。詳細は以下のサイトをご覧ください。
Textron Aviation Defense LLC.