医師向け生成AI「Cubec」が大幅アップデートしエビデンスを強化

医師向け生成AI「Cubec」が大幅アップデート

大阪府吹田市に本社を置く株式会社Cubecが開発する臨床ナレッジAI「Cubec」が、2025年12月4日より大規模なバージョンアップを実施します。このアップデートでは、医師が日常診療においてより効果的に活用できる情報を提供するため、多くの新機能が加わることになります。

新たに追加される情報源

新機能の一つとして、PubMedの医学論文に加えて、各領域の専門医がレビューしたガイドラインやエビデンスを集めた「Cubec医学ノート」を無料で利用可能にします。このノートは、さまざまな診療科目、特に内科に対応し、医師が臨床疑問に迅速にアクセスできる手助けをすることでしょう。

医療知識を持つ専門家チームによって開発されたCubecは、誤った情報を生成する「ハルシネーション」の問題を軽減しつつ、使い勝手の良さも兼ね備えています。医師にとっては、膨大な情報を効率よく活用できるツールとしての役割がさらに強化されることとなります。

複雑な情報をシンプルに

今日の医療現場では、医師が様々な情報を検索していく中で、多くの時間を費やしているのが実情です。数多くの論文やガイドラインに目を通す必要があり、特に専門外の分野では「どの情報を信じられるのか」といった問題に直面していることが多いです。

Cubecは、ChatGPTのような対話式のインターフェースを通じて、医師からの質問に対して迅速かつ的確な回答を提供します。さらに、回答には必ずエビデンスが付与されるとのことで、医療現場に必要な信頼性と利便性を兼ね備えています。

専門医による独自のデータ

「Cubec医学ノート」には、各領域の専門医が医学論文やガイドラインを基に作成した独自の情報が含まれています。これにより、医師は心不全やめまいといった日常的な課題に関するエビデンスベースの情報を対話形式で取得可能になります。これは、診療の質の向上や、患者への迅速な対応に直結します。

日本の医療に特化した展望

米国では医療版ChatGPTと称される「Open Evidence」が浸透していますが、日本の医療システムは異なるため、同様の情報だけでは不十分です。Cubecは、日本の医療に特化した独自のデータ戦略に基づき、国内の医師が必要とする情報に応じたAI開発を進めています。

次回のバージョンアップでは、専門医が持つ実践知をCubecに学習させる取り組みがさらに進む予定です。すでに循環器分野に特化したデータの蓄積が進行中で、今後は他の診療科へも拡大していく見通しです。

Healthtech Summit 2025にて登壇

代表取締役CEOの奥井伸輔氏は「Healthtech Summit 2025」にパネリストとして登壇予定です。テーマは「医師の働き方改革の本質」となり、最新の医療テクノロジーについての意見を共有します。イベントは2025年12月7日に東京で開催され、オンライン視聴も可能です。

会社概況

Cubecは、ヘルスケア・医療AIの開発と販売を営むベンチャー企業です。国立循環器病研究センター発のベンチャーとして、最新技術を駆使し、すべての人に最善の医療を提供することをミッションとしています。医療現場でのAIの活用を目指し、今後もさらなる発展に期待が寄せられています。公式サイトもご覧ください。

Cubec公式サイト

最後に

Cubecの新たなアップデートは、日本の医療現場における多くの課題を解決する可能性を秘めています。啓発された医師たちが、今後のバージョンアップを通じて、より多くの診療科目で活用できることを願っています。医師の働き方改革を進め、患者に対する医療の質を向上させるための取り組みが続けられることを期待しています。