「みんなで翻刻」
2019-07-23 11:32:38

市民が古文書を翻刻する新プロジェクト「みんなで翻刻」がリニューアル!

市民参加型プロジェクト「みんなで翻刻」が進化


2019年7月22日に、古文書の翻刻を行う市民参加型プロジェクト「みんなで翻刻」がリニューアルを果たしました。このプラットフォームは、国立歴史民俗博物館、京都大学古地震研究会、東京大学地震研究所の専門家たちによって進められています。初版が公開された2017年から既に約5,000名の市民が参加し、600万文字以上の古文書が解読されています。

新しいバージョンは、さらに多くの災害史料やユネスコ世界記憶遺産「東寺百合文書」の未翻刻部分の解読を計画しており、参加者は最新のAIを活用した「くずし字」の自動認識機能を使用できます。これにより、古文書に不慣れな初心者でも簡単に翻刻作業に取り組むことが可能となります。

リニューアルの主な特徴


今回は、デジタルアーカイブの国際標準であるIIIFに対応しました。これにより、国立国会図書館や国文学研究資料館など、さまざまな機関が公開するデジタル史料も「みんなで翻刻」で扱えるようになりました。また、東京大学附属図書館が所蔵する地震史料コレクション「石本コレクション」の公開も行っています。
翻刻されたテキストはオープンデータとして公開され、歴史研究や科学研究の現場で活用されることが期待されています。

市民とAIの協力


今回の「みんなで翻刻」では、凸版印刷株式会社が開発したくずし字認識システムを取り入れ、AIの力で市民がよりスムーズに翻刻作業に参加できるようになっています。このプロジェクトは、単に古文書を解読するだけでなく、地域の歴史や災害の理解を深める手段でもあります。

「みんなで翻刻」の利用状況


このプロジェクトでは、すでに499点の史料が解読され、解読に対する正確性は驚くことに98.5%に達しています。これは、多くの市民が協力してくれたおかげで可能になった結果です。翻刻作業の基本的な流れは、参加者が古文書をデジタル上で閲覧し、AIのサポートを受けながら文字を入力していくというものです。

今後の展望


今後も他の資料館からも新たな史料を登録し、プロジェクトを拡大していく計画です。過去には岩手県や秋田県、国文学研究資料館などの所蔵品も含まれており、さまざまな地域の歴史を掘り起こすことが期待されています。参加者は、古文書に親しみを持ち、その内容を学ぶ機会を持つことができます。

このように、「みんなで翻刻」は市民、歴史、AIの融合によって進化し続けています。古文書を翻刻するだけでなく、歴史の理解を深めるための重要なプロジェクトとなっています。参加はオンラインで手軽に行えるため、ぜひ興味がある方は参加してみてはいかがでしょうか?

会社情報

会社名
国立歴史民俗博物館
住所
千葉県佐倉市城内町117
電話番号
043-486-0123

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