KDDIとHPEが連携し大阪堺データセンターのAI稼働を加速

KDDIとHPE、AIデータセンター構築に向けた新たな連携

2025年度内に稼働を予定している大阪堺データセンターが、KDDIと日本ヒューレット・パッカード合同会社（HPE）の連携によって大きな変革を迎えます。この協力は、最新のAIテクノロジーを駆使し、環境に優しく、効率的なデータセンターの運用を目指すものです。両社は特に、NVIDIAの最新チップを搭載した高度なコンピュータシステムを導入することで、AI開発を加速させようとしています。

連携の背景と目的

急速に進展するAI技術に対応するためには、高性能なAI基盤の構築が急務です。そのニーズに応えるべく、KDDIは生成AIモデルを迅速に開発できる環境を整えるため、大阪府堺市にAIデータセンターを設立します。このデータセンターは、特にAI関連事業において、生成AIの開発や低レイテンシ推論の活用を意図しています。また、AI時代のビジネスプラットフォーム「WAKONX」を通じて、企業へのGPUサーバーをクラウドベースで提供する計画もあります。

HPEは、高度な冷却技術とスーパーコンピューターの分野での豊富な知見を持っており、これらを活用することでAIデータセンターの運用を支えます。特に、データセンターの冷却においては、空冷と液冷を併用したハイブリッド型技術を採用することで、環境負荷の低減に寄与することを目指します。

注目の新技術

導入が予定されている「NVIDIA GB200 NVL72 by HPE」は、その名の通り、NVIDIAとの共同開発に基づき、高度な直接液冷技術を活用してエネルギー効率を最大化したラックスケールシステムです。このシステムは、迅速なAIクラスタの構築を可能にし、大規模かつ複雑なAI処理を効率的に行える設計となっています。

KDDIとHPEの展望

KDDIの代表取締役社長である松田浩路氏は、今回の連携を通じて高性能なGPU基盤が大阪堺データセンターに導入されることに感謝の意を示し、HPEの技術が今後のデータセンター発展に貢献すると確信しています。また、HPEのアントニオ・ネリCEOは、KDDIとの協力がAIイノベーションのさらなる加速につながる重要な一歩であると述べ、これからの進展を楽しみにしているとのことです。

環境と経済への影響

両社は今後、連携を強化し、環境負荷を最小限に抑えた最先端のAIインフラの構築に注力していく考えです。この取り組みは、AI技術がもたらす新たなビジネスチャンスや効率化を促進し、業界全体にも大きな変化をもたらすでしょう。特に、環境への配慮とともに、持続可能な技術の導入が求められる現代において、両社の連携は注目されるべきものです。

このように、KDDIとHPEの提携は、AI技術の発展にだけでなく、環境への配慮や経済の効率化にも寄与するものと期待されます。大阪堺データセンターの完成が、業界にどのような影響をもたらすのか、今後の動向に注目です。