11月1日は「IHクッキングヒーターの日」として、家庭の調理環境におけるIHの魅力を再認識する日となっています。この日は、一般社団法人日本電機工業会により定められ、日本の食文化をより豊かにすることを目的としています。家庭の調理器具としてのIHの普及が進む中、その実際の性能や利用状況について詳しく見ていきましょう。
三菱総合研究所の調査によると、現在のビルトインIHクッキングヒーターの所有率は、一戸建てで39.0%、集合住宅で21.4%、全体で30.6%に達しています。この割合は10年前の2014年に比べて約10%の増加を示しており、IHの存在感が確実に高まっていることがわかります。IHが家庭用として一般的に普及し始めたのは2000年代に入ってからですが、依然としてガスコンロを使用している家庭も少なくありません。
パナソニックは、IHの日に際し、ガスコンロを主に使用している家庭を対象としたイメージ調査を実施しました。その結果、約60%の人が「IHは火力が弱い」という印象を持っていることが分かりました。しかし、この認識は大きな誤解といえるでしょう。
IHクッキングヒーターは、鍋そのものを発熱させる仕組みを持っており、高い熱効率と高火力を実現しています。たとえば、パナソニックの200VのIHは火力「7」が2kW、火力「9」に至っては3.2kWを誇ります。これにより、鍋を使用して調理する場合の火力は、従来のガスコンロ大バーナーと同等以上の性能を持ち、その火力で短時間で沸かすことが可能です。具体的には、1リットルの水を約2分強で沸かすことができます。
さらに、IHは「オールメタル対応」により、金属製の鍋やフライパンをそのまま使用することができまるため、鍋の買い替えが不要です。この特徴により、調理器具の選択肢が広がり、より自由な料理が可能となります。また、最近のIHは鍋振りができる性能も備えており、料理の幅を広げることができます。
例えば、パナソニックの最新モデルSシリーズには、「煮込みアシスト」機能が搭載されており、火加減を意識することなく煮込みメニューが簡単に調理可能です。自身のキッチンに合わせて本体の変更ができるのも利点で、ガスからIHへの切り替えも容易です。もちろん、その際は家庭の電力インフラに応じて対応した電気工事が必要となります。
さらに、IHクッキングヒーターの魅力はそのクリーンさにもあります。直火がなく、燃焼ガスを発生しないため、調理中の室内温度の上昇を抑えつつ、空気を清潔に保つことができるのです。このように、IHは現代の生活様式に非常に適した調理器具と言えるでしょう。
IHクッキングヒーターに対する誤解を解消し、その真価を実感することで、より快適でスタイリッシュな料理ライフへとつながります。IHの日を機に、自宅のキッチンを見直してみてはいかがでしょうか?