新たな米の品質評価—aiwell株式会社の挑戦
東京科学大学認定ベンチャー企業のaiwell株式会社は、最新の技術を駆使して、米の品質評価において新たな地平を切り拓く取り組みを行っています。2023年、同社は住友商事北海道株式会社と連携し、約700種類のタンパク質を対象に、備蓄米と令和6年産米の解析を実施しました。その結果、両者のデータに大きな差異は見られず、品質に関しては一定の一致が確認されました。この発表は、今後の食品評価の基準にも影響を与えるものと期待されています。
解析の具体的な手法
aiwellは、「aiwell IPA」という独自技術を利用し、米に含まれるタンパク質を詳細に分析しました。対象となったのは、次の10品目です。
1. 銘柄米(令和6年産)- コシヒカリ、ササニシキ、つや姫、ななつぼし、ゆめぴりか、新之助、青天の霹靂の計7種
2. 複数原料米(令和6年産)- いつものお米1種
3. 複数原料米(備蓄米含む)- 楽しい食卓(令和5&6年産)、楽天生活応援米(令和4年産)の計2種
データ解析の結果
解析は2つの手法を用いて実施されました。1つ目は
平均相関係数による評価で、すべての品目間のタンパク質類似度を測定。この結果、備蓄米と新米での類似性は高く、銘柄米との違いは僅かであることが示されたのです。2つ目は
主成分分析(PCA)で、これによりデータの分散を最大化し、各サンプルの位置関係を浮き彫りにしています。この結果も、備蓄米には特異なデータ傾向が見られないことが確認されました。
今後の研究方向性
aiwellは、今後、米が炊飯前後でどのようにタンパク質構成が変化するかについても研究を進めていく予定です。これは食味との関連性を探るもので、近い将来、米の質を向上させるための新たな指標としての役割を果たすことが期待されています。
aiwell株式会社について
aiwellは、タンパク質解析技術を持つ企業であり、その独自技術は国際的にも注目されています。教育機関や研究機関からの信頼を受け、タンパク質の迅速な解析を目指している同社のプロテオミクスイノベーションセンター(PIC)は、様々な分野での応用が期待されています。アイウェルは、今後も技術革新を続け、健康管理の向上や新たな食材評価の基準を確立していくことでしょう。
おわりに
米の品質評価に革命をもたらすaiwellの取り組みは、私たちの食生活や健康に直結しており、今後の展開に目が離せません。新たな評価基準が確立されることで、米だけでなく、他の食材の解析にも応用が期待されます。aiwellがもたらす未来に、引き続き注目していきたいですね。