フェンディが贈る「オー ダルティフィス」コレクションとは
イタリアのラグジュアリーブランド、フェンディが2025年の新作ハイジュエリー「オー ダルティフィス」を発表しました。この新作の発表は、フェンディ創業100周年という特別な年に行われ、ローマの魅力を讃える傑作となっています。
新作の販売発表は、2023年6月下旬、パリにて行われ、ジュエリーアーティスティックディレクターのデルフィナ・デレトレズ・フェンディによって披露されました。このコレクションは、ローマの古代の噴水にインスパイアを受け、永遠の都の特徴を表現しています。ローマはその文化的なルーツから、美しさや贅沢が交差する街として知られています。デルフィナは、特にローマの地下水道と噴水の美しさに焦点を当て、その魅力をジュエリーという形に昇華しました。
「オー ダルティフィス」コレクションは、3つの独自パリュール、3つのカクテルリング、そして特別な100周年記念ネックレスで構成されています。これらの作品は全て、パリのハイジュエリーアトリエで製作されており、優れた宝石とダイヤモンドを用いて見事なモノクロームで表現されています。
デルフィナ・デレトレズ・フェンディは、イタリアの古典主義とともに、アメリカの映画監督ケネス・アンガーが1954年に手がけた短編映画「オー ダルティフィス」との対話を通じて、このコレクションの神秘的で流動的な女性らしさを表しています。映画の中で描かれる噴水は、美しさを象徴する存在であり、ローマのエスプリを感じさせます。アンガーの映画は、夜のヴィッラ・デステの庭園で撮影され、噴水の水が美しく飛び散るシーンが印象的です。このように、「オー ダルティフィス」は水の流れ、石の影との調和を大切にし、その美しさを表現しています。
コレクションが秘める意味は、周囲の変化する世界を鏡で映し出すことにあります。古代の噴水から得たインスピレーションは、その強烈な色彩と多様な表現を通じて、透明感のある水色から、夕焼け、鮮やかな花々、緑豊かな苔の反射まで様々な美しさを具現化します。モザンビーク産のルビーやコロンビア産のエメラルドなど、自然の恵みが生み出す色合いは、まさにローマの美しさそのものです。
特に注目されるのは、100周年記念ネックレスです。これはコレクションの名の由来もあり、完璧なシンメトリーを持つスケードデザインが施されています。中央には、20.25カラットのフローレスなイエローダイヤモンドがあしらわれ、水の流れを感じさせるラウンドカットとバゲットカットのホワイトダイヤモンドが美しく配されています。また、100個のペアシェイプのイエローダイヤモンドがデコルテを華やかに彩り、フェンディの職人技が光ります。
さらに、このコレクションでは「チェント(Chento)」セットが注目です。完璧なペアのブルーサファイアが使用されており、バゲットカットとラウンドカットのホワイトダイヤモンドが散りばめられています。また、取り外し可能な“翼”がついたイヤリングや、アシンメトリーのイヤーカフも特徴的です。これにより、噴水のしぶきや水の流れを感じさせるような柔らかな印象を与えています。
続いて、「オバート(Ovato)」ブレスレットでは、2つのサンタマリアアクアマリンが強烈な透明感を持ち、ホワイトダイヤモンドやパライバトルマリンのパヴェで華やかに装飾されています。「フォルトゥナ(Fortuna)」ネックレスは、色と光の調和を見事に成し遂げ、リボンのようなデザインが特徴となっています。これらの作品は、フェンディが持つ革新性を表現しており、噴水というテーマを軸に、常に進化を遂げる芸術性を尊重しています。
「オー ダルティフィス」コレクションは、今後フェンディの象徴的なコレクションの一つとして、長く愛され続けることでしょう。ローマの歴史と文化が融合したこの特別な作品群は、コレクションの全てのアイテムに込められた真の美しさを感じることができ、この100周年を祝うにふさわしい傑作となっています。