NVIDIA、地域特化型の生成AI向け新サービスを日本と台湾で展開

NVIDIAの新たな取り組み

NVIDIAは、日本と台湾における生成AI向けのNIMマイクロサービスを発表しました。このサービスは、地域のニーズに基づき、開発者が生成AIアプリケーションを容易に構築できる環境を提供します。近年、多くの国が自身のAIシステムをその国の文化や法律にあわせた形で整備し始めています。この流れの中で、NVIDIAも新たなアプローチを採用して地域特化型のAIサービスの開発を進めているのです。

生成AI市場の拡大

ABI Researchによると、アジア太平洋地域における生成AIソフトウェアの売上は、2023年の50億ドルから2030年には480億ドルに達すると予想されています。この背景には、AI市場の急速な成長と、地域特化型サービスの需要の高まりがあります。NVIDIAが導入したNIMマイクロサービスは、地域ごとのデータを元にトレーニングされた言語モデルを活用し、文化的なニュアンスを考慮した高性能なコミュニケーションを可能にします。

NIMマイクロサービスの特長

新たに導入されたNIMマイクロサービスには、日本語をベースとした「Llama-3-Swallow-70B」と、標準中国語を元にした「Llama-3-Taiwan-70B」が用意されています。これらのモデルは、地域の法律や文化に深く根ざした設計がなされており、ユーザーとの対話能力が向上しています。また、これにより企業や大学が自らの環境にカスタマイズしやすくなり、様々な業種での導入が期待されています。

先進的な導入例

例えば、日本の東京工業大学では、「Llama-3-Swallow 70B」を日本語データでファインチューニングし、学術的な研究に役立てています。また、Preferred Networks社は、日本の医療データを基にした「Llama3-Preferred-MedSwallow-70B」を開発し、医療業界での高いスコアを記録しました。さらに、台湾のChang Gung Memorial Hospitalは、NIMマイクロサービスを利用し、患者により分かりやすい医療言語を提供するシステムを構築しています。