ホシザキの新たな挑戦:中国市場における競争力強化
日本の総合フードサービス機器メーカー、ホシザキ株式会社が中華人民共和国での事業拠点を再編し、競争力を強化することを発表しました。愛知県豊明市に本社を置くホシザキは、長期的成長を見据え、開発、製造、販売の各機能を一つの会社に統合することを計画しています。この再編成により、顧客への対応力と価格競争力が高まることを目指しています。
中国での再編の背景
ホシザキは1998年に北京に販売事務所を開設し、2004年には星崎冷熱機械(上海)を設立、その後、2006年には製造工場の星崎電機(蘇州)有限公司を設立しました。さらに、2012年には総括する形で星崎(中国)投資有限公司を設立し、中国におけるビジネス基盤を着実に広げてきました。2024年には大連に研究開発センターを新設し、さらなる現地開発を強化する予定です。
このような歴史を持つホシザキは、ポストコロナの市場環境に対して柔軟に対処するため、ビジネス構造の再編を決定しました。飲食市場では、消費者の嗜好が多様化し、レストランやカフェ、ファーストフード、ベーカリーなどの多様な業態が増加しています。特に多店舗展開を図る場合、一つの店舗あたりのコストを抑える傾向が顕著となっています。このような状況において、ホシザキはオーダーメイド製品を低価格で迅速に提供することが求められています。
再編の詳細と今後の展望
ホシザキは、2025年1月2日より、現在分かれている星崎中国HLDG(開発機能)、星崎上海(販売機能)、星崎蘇州(製造機能)を統合する方針です。これに伴い、星崎蘇州は社名を星崎商厨智造(蘇州)有限公司に変更します。統合後は、ホシザキの強みである高品質を維持しつつ、迅速な意思決定と開発プロセスを実現します。飲食店が求める仕様や価格帯のテスト用製品を、最短一カ月で開発・納品する体制を整えることが目標です。
さらに、マーケットのニーズに応じた製品を臨機応変に提供することで、各顧客に対して迅速にオーダーメイド製品を量産・納品することが可能となります。これにより、価格競争力も向上し、ホシザキは中国市場での成長を加速する意向です。
統合会社の概要
- - 会社名: 星崎商厨智造(蘇州)有限公司(英語名:HOSHIZAKI CHINA CORPORATION)
- - 所在地: 中華人民共和国江蘇省蘇州市
- - 事業内容: 業務用冷蔵庫・製氷機等の開発・製造・販売
- - 従業員数: 約300名
- - 業務開始日: 2025年1月2日
ホシザキは、今回の再編による体制を強化し、中国市場における影響力をさらに拡大させることを目指しています。将来的には製氷機や業務用冷凍冷蔵庫のラインナップ強化と共に、厨房全体の設計・施工を含むソリューションの充実を図り、多様な業種のニーズに応えることを計画しています。中国事業全体の長期的な成長へ向け、一歩踏み出すホシザキの姿勢は、今後の展開にも注目が集まります。