日本精工とサイフューズの協業による再生医療の新技術開発
再生医療や細胞医療の分野において、 日本精工株式会社(NSK)と株式会社サイフューズは新たな技術開発に成功したことを発表しました。この成果は、再生医療や創薬の実用化に向けた重要なステップとなることが期待されています。
新技術による3D細胞製品の商業化
NSKとサイフューズは、再生・細胞医療のさらなる発展を目指して協力し、サイフューズが独自に開発したバイオ3Dプリンティング技術とNSKの精密機器開発で培ったメカトロ技術を融合させました。この新技術は、サイフューズのバイオ3Dプリンタ「S-PIKE®」に実装され、研究開発から商業生産へと進展することが計画されています。
この技術の特長として、精密な位置決めが可能であり、高品質な3D細胞製品の生産能力を引き上げることが見込まれています。今後、両社はこの協業の成果をさらに広げ、各種の製造工程において自動化技術と設備の開発を進めることに注力します。
革新的な製品のサステナビリティへの寄与
サイフューズは、独自の基盤技術を用いて「ヒト3Dミニ肝臓」という製品を開発しています。この製品は、体外で再現した機能性細胞デバイスであり、生体内の肝臓に近い構造と機能を持つため、製薬企業の創薬研究や動物実験の代替手段としての期待が高まっています。このような技術の進展は、医療業界におけるサステナビリティの面でも注目を集めています。
今後の展望と参加イベント
NSKとサイフューズは今後も密接に協力し、さまざまな企業との連携を深めながら、再生医療分野のさらなる発展に貢献すべく努力していく方針です。2024年10月には、パシフィコ横浜で開催される「再生医療JAPAN 2024」に参加し、実機展示を行う予定です。これは、最新の技術を広く知ってもらう絶好の機会となります。
日本精工とサイフューズの企業概要
日本精工株式会社は、1916年に日本初の軸受を生産し、多種多様な精密機器を展開している大手企業です。海外にも進出し、今では約30か国に拠点を構えています。企業理念として、社会貢献や環境保全に力を入れ、先進的な技術開発に取り組んでいます。
一方、株式会社サイフューズは、再生医療に特化したベンチャー企業であり、バイオ3Dプリンティング技術を駆使して新たな治療法の開発を行っています。臨床開発の段階まで進んでおり、将来的には商業生産体制を確立するための動きが進行中です。
このように、両社の協業がもたらす技術革新は、再生医療の可能性を広げるだけでなく、医療業界全体の進展に寄与することが期待されています。