マルチチャネル触覚提示システム「HaptoScala®」シリーズの発表
2025年7月24日、東京都目黒区に本社を置く株式会社commissureが、最新の触覚技術を搭載した「HaptoScala®」シリーズを発表しました。このシステムは、最大1024チャネルのアクチュエータを個別に制御することができ、同時に複数の身体部位に触覚刺激を提供できる革新性を持っています。
HaptoScalaシリーズの特長と概要
HaptoScalaシリーズには、振動刺激を提供する「HaptoScala V」と、せん断刺激を提供する「HaptoScala S」の2つのラインナップがあります。HaptoScala Vは高速の応答性を誇り、周波数と振幅を個別に制御できます。一方、HaptoScala Sでは振動技術では再現が難しい力の感覚を提供し、圧力センサやLEDが搭載可能です。これにより、ユーザーによりリアルな触覚体験を提供することが可能になっています。
共通機能による柔軟性
HaptoScalaシリーズの共通機能としては、最大1024チャネルの同時制御、モジュールの簡単な差し替え・拡張、そしてデイジーチェーン接続による省ケーブル化が実現されており、安定したRS485通信が可能です。これにより、PCやマイコンからの直感的な制御が行えるため、開発者にとって非常に使いやすいシステムとなっています。
想定されるユースケース
HaptoScalaシリーズは様々な分野での活用が期待されています。例えば、VRコンテンツにおいて全身への触覚フィードバックを行うことで、より没入感のある体験を提供できます。また、建設機械やロボットの遠隔操作を支援することにも貢献できます。加えて、エンターテインメントやゲームの体験拡張、さらには触覚刺激を用いた研究用途にも利用が見込まれています。本システムは、触覚の国際的な専門家会議「IEEE World Haptics Conference」においても研究が採択されている実績があります。
企業のビジョン
代表取締役の溝橋正輝氏と堀江新氏は、「HaptoScala」は柔軟性とスケーラビリティを兼ね備えた触覚提示システムであり、課題に応じて構成を変更することができ、専用デバイスの製作コストを削減することができると述べています。このシステムを用いることで、触覚によるソリューションの設計と提供のスピードが向上し、ハプティクスによる課題解決が加速されることが期待されています。
会社情報
株式会社commissureは2023年1月に設立され、200万円の資本金を持つ企業で、触覚通信、センシング、提示システムの研究開発を行っています。企業の所在地は東京都目黒区、東京大学駒場IIキャンパス内にオフィスを構えています。詳しい情報は
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