IIJが実施したデータ流通の真正性確保に関する実証実験
情報通信のインフラを支えるIIJ(インターネットイニシアティブ)は、国立研究開発法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の受託事業として進めるハイブリッドクラウド利用基盤技術の開発において、データ流通の真正性確保に向けた実証実験を実施しました。この実証は、2026年6月までにデータ流通における「データ真正性」を如何に確保するかを目指したものです。
背景
近年、ビジネスシーンにおいてデータの活用が加速していますが、それに伴い、データの信頼性や真正性、つまり「誰が作成したのか」「流通の途中で改ざんされていないのか」を明確にすることが重要な課題になっています。IIJは2023年7月から、マルチクラウド環境でのデータ連携を目指す研究開発を進め、データの保護と流通の自動化技術の確立を目指してきました。
実証実験の概要
本実証では、注目されている「eシール」という技術を用い、IIJが開発したデータ流通プラットフォームとサイバートラスト社の電子署名サービス「iTrustリモート署名サービス」を組み合わせて、データの真正性を検証しました。特に注目されたのは、実運用を想定した汎用データの利用方法であり、実証実験の過程で以下の手順が踏まれました。
1. iTrustリモート署名サービスを通じて、法人の実在性を保証するeシール証明書を発行。
2. 対象データにeシールと、データの存在時刻を証明するタイムスタンプを付与。
3. eシールとタイムスタンプを付与したデータをデータ提供者と受領者間で送受信。
4. データ受領者側でeシールの署名を検証し、提供元および改ざんの有無を確認。
5. 一連のデータ流通プロセスにおいて、運用性および信頼性を評価。
実証結果
この実証の結果、以下の重要な成果が得られました。
- - eシールにより、データの提供元を明確に証明できることが確認されました。
- - iTrustリモート署名サービスを通じて、安全かつ効率的に署名を付与できることが示されました。
- - データ流通段階で改ざん検知および真正性確認が適切に行えることが実証され、複数組織間での高い信頼性を伴うデータ流通が可能であることがわかりました。
今後の展開
IIJは、この実証で得られた成果を基に、安全かつ信頼性の高いデータ連携を推進していく姿勢を見せています。特に、データスペースやAI技術を活かして新たなデータ連携のあり方を模索し、企業や産業界でのデータ利用を更に高度化させるためのコンサルティングやデータスペース接続サービスの構築を進めていく方針です。
このように、IIJが推進するデータ流通プラットフォームは、未来のビジネス環境におけるデータの信頼性を確保するための重要な一歩となることでしょう。