フィネガンズ・ウェイク逢う
2024-09-27 11:47:10

ジェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』が電子書籍として登場

2024年9月27日、ジェイムズ・ジョイスの大作『フィネガンズ・ウェイク』がついに電子書籍として配信されることが決定しました。この作品は、全世界の文学愛好者から注目されている文学史上の金字塔であり、その難解さゆえに「翻訳不可能」とさえ言われてきました。今回の電子書籍化に伴い、翻訳家・柳瀬尚紀による画期的な日本語訳が独自の形で提供されます。

『フィネガンズ・ウェイク』は、ジョイスが晩年に家族や酒場の生活を描いた物語で、特異な言語と複雑な構成を持つ作品です。初めて公表されたのは1924年で、1941年にジョイスが亡くなるまで、彼の人生の集大成とも言うべき作品を執筆し続けました。1980年代から90年代にかけて日本語訳が発表されて以来、長年ファンに愛され続けたこの作品が、現代のテクノロジーを通じて新たな読者層にアプローチすることになります。

特に今年8月に復刊された『フィネガンズ・ウェイク Ⅰ・Ⅱ』および『Ⅲ・Ⅳ』が注目を集め、その内容はSNSで話題になりました。読者からは「一行読むのに10分」「翻訳自体が作品」という驚きの声が寄せられ、書店では美麗なケース付き特別セットが完売するほどの熱気を見せています。

電子書籍化により、読者は自分のペースでこの難解な作品を再挑戦できる環境を整えることができます。言葉の遊びがふんだんに散りばめられており、聖書や神話、歴史といった要素が混ざり合う豊かなテキストが、各書店の電子書籍ストアで販売されます。また、電子書籍は、固定レイアウト型のEPUB形式となり、大きなディスプレイでの閲覧が推奨されています。文字拡大や辞書機能は使用できないため、作品の物理的な質感を感じながらも、新たな夢の世界に没頭することができるでしょう。

今回の復刊は、過去から現在にかけての文学的挑戦の集約とも言えます。その中で、柳瀬氏は日本語の独自性を生かし、意味とリズムを両立させた翻訳を実現させました。多様な日本語の表現を駆使しつつ、読者が各自の理解を楽しむための環境が整っています。著者のジョイスが夢の中で創り出した世界を、ぜひこの機会に味わってみてください。

最後に、シリーズの3部作としての構成や、記念すべき文庫版の付録として収録された大江健三郎の序文や小林恭二の解説も含まれており、文学の極北と称されるこの作品への深い理解が促されます。知的な冒険を通じて、数千年の人類の歴史が一夜に凝縮されたこの大迷宮を、どうぞお楽しみください。


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河出書房新社
住所
東京都新宿区東五軒町2-13
電話番号
03-3404-1201

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