クラゲ館が描く未来社会の創造性と国際交流の架け橋
2025年に開催される大阪・関西万博に向け、注目を集めているのが「いのちの遊び場 クラゲ館」です。このパビリオンは、テーマ事業プロデューサー中島さち子さんが率いるプロジェクトとして、オープンな心を持つ社会づくりを目指しています。特に、先ごろ行われた国際参加者会議(IPM)での発表では、「クラゲ館」がどのようにさまざまな文化を取り入れ、創造性を高めるかに焦点が当てられました。
高まる期待と活気
1月15日と16日に姫路市のアクリエひめじで開催されたIPMは、約160の国や地域から国際博覧会の責任者が集まる重要なイベントです。ここでは、各パビリオンのコンセプトや建築、体験の内容が紹介され、数多くの出展国の文化と思想への理解が深まりました。特に「クラゲ館」は、STEAM教育や音楽によって、参加者の創造性を引き出す試みが披露され、訪れた人々の心を掴みました。
創造性の民主化と協奏
「クラゲ館」が目指すのは『創造性の民主化』です。多様な人々が持つ創造力を引き出し、社会や文化を豊かにすることを目的としています。具体的には、五感を刺激する双方向の展示、さまざまなワークショップ、そして予期せぬ人々との出会いを重視しています。この取り組みを通じて、参加者の「弱さの価値」を認識しながら、高まり合う未来社会の可能性を模索していきたいという思いが、熱く語られました。
会場には姫路市の高校生も参加し、中島さんへの質問が飛び交うなど、活発な交流が生まれました。万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」への期待と注目が集まり、特に岡本太郎の「すべての人は芸術家」であるという考え方が共鳴しました。これにより、「クラゲ館」の取り組みは、多くの人々の共感を得ることができたのです。
KURAGE Bandによる国際交流
また、協奏の場を盛り上げたのがKURAGE Bandです。このバンドは、中島さんがプロデュースし、さまざまな文化や音楽を融合させるスペシャリストによって編成されています。韓国の太鼓、セネガルのリズム、チベットの音楽など、多様な文化が一つのステージで共鳴し合いました。この多文化共演は、まさに「いのちを高める」という設立理念を体現しており、楽しいひとときを提供しました。
会場で行われたライブでは、まず山本能楽堂による「いのちの能:水の輪」が演じられ、続いてクラゲバンドが「いのちの旅」を奏でました。ここで描かれるのは、日本から始まる世界各地への「いのちの旅」であり、音楽や舞踏が国や文化の壁を超えて共に響き合う姿が表現されました。
万博がもたらす未来への希望
こうした取り組みにより、大阪・関西万博は単なる展覧会を超え、国際交流のプラットフォームとしての役割を果たしています。クリエイティブなプロジェクトが続々と発表され、多くの人々がその成果を目の当たりにすることで、未来社会についての意識が高まることが期待されています。今後も、万博の機会を利用して、多文化な交流を深めていくことが求められます。
大阪・関西万博は、創造性と国際交流の架け橋として、未来に向かって新たな価値を見出していくことでしょう。