板橋区で開催されたヤクルトレディ座談会の意義とは
令和7年7月11日、東京都板橋区において、「ヤクルトレディ座談会」が開催されました。これは、地域の見守り活動を活性化することを目的として、東京ヤクルト販売株式会社の協力を得て実施されたものです。板橋区は「認知症フレンドリー社会」の実現を目指し、住民が自らの権利や意思を尊重され、能力を発揮しながら持続可能なキャリアを構築するための取り組みを進めています。
認知症フレンドリー社会とは
「認知症フレンドリー社会」とは、認知症の人々が自らの権利を保持し、希望を持った生活を送れる環境を意味しています。板橋区では、これを実現するために地域住民や企業との協働による様々な取り組みを行っており、その一環として「見守り協定」を及び「認知症フレンドリー協議会」の開催が挙げられます。
ヤクルトレディの役割
東京ヤクルト販売株式会社は、令和4年3月に見守り協定を締結し、同社の販売員であるヤクルトレディが地域を訪問する際、地域の見守り活動を並行して行うことになりました。ヤクルトレディたちは、毎日の訪問販売を通じて地域交流があるため、住民の気になる様子や異変に気付くことができます。この座談会は、ヤクルトレディの実際の活動を元に、見守りに関する課題や成功事例を共有し、他の事業者が積極的に見守り活動を行うきっかけとなることを狙っています。
座談会の内容
座談会には、ヤクルトレディ10名が参加し、東京都健康長寿医療センター研究所の岡村毅医師や宮前史子研究員が進行役を務めました。岡村医師からは、現代の高齢者社会における認知症患者の増加に対する見守りの重要性についての講演が行われました。特に、地域での見守りの役割を果たす企業が増えることがもはや不可欠であるとの示唆がありました。
ヤクルトレディによる見守りの実例
ヤクルトレディたちの具体的なエピソードも多く聞かれました。一人のヤクルトレディは、訪問時に道に迷っている高齢者から声をかけられた経験を話しました。周囲に迷惑をかけないよう迅速に対応し、最終的には警察に連絡する事態まで繋がったとのこと。また、別のレディは、お客さんとの定期的な会話を通じて、家庭内の悩みや愚痴を聞くことでメンタルヘルスのケアができているとの意識を持っていました。これらのやり取りは、他の住民との接触が少ない高齢者にとって非常に意味のあるものです。
認知症施策の今後の展望
板橋区を代表する方のコメントにもあるように、ヤクルトレディのような自然な見守りの存在は地域にとって欠かせないものであるといえます。今後も、出された意見や経験を統括して、認知症施策や見守り活動に生かしていく方針です。
この座談会を通じて、地域のあらゆる人々が互いに助け合う素晴らしい社会の実現に一歩でも近づくことができることを願っています。板橋区では、今後もこのような取り組みを続けて行く意向です。