銀山温泉に新たに誕生した「本館古勢起屋」
2022年7月1日、山形県尾花沢市の銀山温泉に新しく開業した「本館古勢起屋」は、その歴史に根ざした美と、現代の便利さを兼ね備えた温泉宿です。1893年に建てられた建物は、大正・昭和の職人技を生かした日本建築様式を踏襲し、アールデコの影響を受けた「ジャパンデコ」の趣きを感じさせます。
本館古勢起屋の歴史
本館古勢起屋は、当時の卓越した建築技術を再現しつつ、時代による改築がなされた歴史的な宿です。1階と2階は大正期、3階は昭和初期に建設され、各階で異なる様式の調和が見られます。
特に、建物の改修においては、古材の再利用や伝統的な「木組み」の技術を駆使し、当時の面影を最大限に残しています。必要に応じて新たな素材を取り入れる際にも、色合いをそのままに保つことで、経年変化を楽しむ趣を大切にしています。
客室の魅力
「本館古勢起屋」では、3種類の客室が用意されています。
- - 山側大正モダン客室 では、ステンドグラスやアンティークなベッドボードを使ったシックなインテリアが楽しめ、四季の移ろいを感じられます。
- - 川側和室 では、歴代の職人の技を感じる純和室が広がり、日本建築の美しさに包まれたひとときを提供します。
- - 川側大正モダン客室 は、モダンな和洋室で、銀山川の美しい景色を眺めながらのんびりと過ごせます。すべての客室が禁煙室に設定されているため、快適な滞在が約束されています。
食の体験
宿泊中の飲食はオールインクルーシブスタイルで、館内のドリンクバーから自由に楽しむことができます。夕食は、温泉街にある系列飲食店の「野川亭」や「ゆけむり食堂しろがね」で提供され、地元の新鮮な食材をふんだんに使用した料理を堪能できます。
「野川亭」では、旬の素材を生かした洋皿を織り交ぜたコース料理が楽しめ、山形の名物である黒毛和牛のローストも味わえます。一方、「ゆけむり食堂しろがね」では、ヘルシーな温泉蒸しや炭火焼きといった、地元食材を活かしたメニューが充実しており、夜の一杯にぴったりな軽食も選べます。
温泉の魅力
古勢起屋の温泉は、硯風呂と大正風呂の2種類があります。
- - 硯風呂は、黒を基調とした高級感あふれる癒しの空間で、先代の書作品を配することでアートな雰囲気を醸し出しています。
- - 大正風呂は、懐かしさをテーマにした白いタイルのお風呂で、当時の温泉文化を体験できるユニークな設計です。
館内の休息スペース
モダンラウンジも併設されており、自由に利用できるドリンクサービスを提供しています。囲炉裏を囲む大きなテーブルで、リラックスした時間を過ごせる場所です。
「本館古勢起屋」は、日本の美を体感しながら、さらに新しい旅の魅力を提供する宿泊施設へと成長しています。ぜひ、銀山温泉を訪れた際には、ここでの素晴らしい体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。