南アフリカにおける日系企業とスタートアップの協業成功事例
2025年3月18日、南アフリカ・ヨハネスブルグで、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施したスタートアップエコシステム構築支援プログラム「Project NINJA」の成果が発表されました。本プログラムのもと、日系企業である日本電気株式会社(NEC)とアフリカの現地スタートアップの協業が実現し、Agrilogiq社とLocstat社がNEC XONの公式ベンダーとして採用されました。
プロジェクトの背景
このプロジェクトは、南アフリカ共和国でのNINJAアクセラレーター・オープンイノベーションプログラムの一環で行われ、3か月の実証実験を経て、両社がNEC XON社との連携を果たしました。彼らの提供するソリューションとNECのビジョンが見事に合致した結果、アフリカにおける日系企業と現地スタートアップのさらなる協力の道が開かれることとなります。
両社の訪日とイベント
Agrilogiq社とLocstat社は、2025年1月に東京を訪れ、NEC本社や日本の他の企業、投資家と面談を行いました。この訪問に合わせて、JICAは公開イベント「アフリカにおけるオープンイノベーションとコーポレートベンチャリング」を開催し、協業事例の紹介とアフリカにおけるオープンイノベーションの推進について広く参加者に伝えました。
NEC XON社のコメント
NEC XON社のデジタルソリューションチームリーダー、クリス・デュベナージュ氏は、「JICAのNINJAプログラムは、現地スタートアップとの戦略的提携を進める上で非常に有効だった。Agrilogiq社、Locstat社との協力を進め、産業の発展と共に世界中のコミュニティ向上に寄与するソリューションを生み出していきたい。」と語りました。
Agrilogiq社とLocstat社の役割
Agrilogiq社は、農業バリューチェーンのデジタル化を進めるためにNECのAIやデータ分析技術を活用し、国際的な展開の機会を見つけ出しました。一方、Locstat社は、そのプラットフォームからNECのシステムへデータをシームレスに提供し、スマートインフラの構築に資する成果を得られることが示されました。両社は今後さらに拡大を目指し、より大規模なデータ統合の検証に取り組むことに合意しています。
今後の展望
このプロジェクトの責任者であるマネージングディレクターのヤニック・ガヤマ氏は、「NINJAプログラムを通じた支援が、具体的な成果を生んだことを嬉しく思う。日系企業と現地スタートアップが連携して、日本とアフリカの戦略的価値や利益拡大の可能性を切り開くための第一歩が踏み出された。」と語っています。
まとめ
NINJAアクセラレーターは、現地のイノベーションや経済成長を推進するために、Double Feather Partnersやデロイト・トーマツが主導している事業です。南アフリカは、ケニアでの成功を受けた新たな拡大先として選定され、アフリカ全域を対象にしたアクセラレーションの機会が期待されています。これにより、より多くの日系企業がアフリカのスタートアップと連携し、新たな成長を遂げることが期待されています。