業界トップ企業イズミテクノ、CADDi導入で見積業務を大幅効率化

製造業のデジタル変革をリードするイズミテクノ。硬質アルマイトや普通アルマイトの処理を専門とする同社は、業界でも高い技術力を誇りますが、一方で経営課題にも直面していました。特に、年間で10,000件にも達する見積業務の処理には多くのリソースが必要で、営業部門が新規開拓などの「攻め」の活動に取り組む余裕を失っていたのです。

この課題への対応が急務とされている中、イズミテクノはキャディ株式会社が提供する製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」を導入しました。

課題と導入背景

イズミテクノの営業部門は、一日で100件以上の見積もりを処理することも珍しくありませんでした。本来、顧客と向き合い価値を創造するべき営業部門は、見積対応に追われる日々。これが結果として人材育成の停滞にもつながっている状況でした。

プロジェクト推進責任者の上島氏は、この現状を打破することが必要だと感じていました。紙や手動でのデータ管理が行われていた時代から、デジタルツールを活用し業務の効率化を進めるべくCADDiの導入を決定したのです。

CADDi導入の効果

CADDi導入後、イズミテクノの営業部門は劇的な変化を遂げました。見積業務の根幹をなす図面や仕様のデータを瞬時に検索できるため、情報管理が一元化され業務効率が飛躍的に向上。これにより、見積にかかる内部コストは約50%も削減されました。この創出された時間とリソースは、以降の「攻め」に向けた営業活動へ振り分けられるようになりました。

また、従来は属人化していたノウハウも共有化され、新入社員はすぐに実務に活かせる環境が整いました。営業部門の担当者今井氏も、「導入後はデータを素早く探し出せるのが助かっています。これにより新規顧客への訪問や案件獲得などの「攻め」の活動に集中できるようになりました」と語ります。

今後の展望

今回のプロジェクトは営業部門だけの成果にとどまらず、イズミテクノ全社に波及する変革の一環です。2023年にスタートしたこの取り組みは、検査業務への展開を経て、2025年には150名規模の全社的な導入を予定しています。2030年までに売上を3倍にする目標を掲げる中で、さらなる「人海戦術からの脱却」を目指しています。

上島氏も、「このDXへの取り組みは見積業務の効率化を超えて、企業文化そのものを変革する全社戦略として進化していると実感しています」と語りました。