伝統と革新が融合するお寺の新たな癒し「禅×サウナ」とは

「禅×サウナ」の新たな試み

2024年4月1日、和歌山県・那智勝浦町に位置する大泰寺に新しい癒やしの場が誕生しました。このお寺に設置されたのは、本格的なフィンランド式薪サウナです。サウナプロデューサーの大西功起さんが手がけたこのサウナは、日本の伝統的様式とフィンランドの技術を融合させた新しい体験の場となっています。

大泰寺は、蘇りの地熊野に位置し、名高い七薬師の第一古道場でもあります。近年、参拝者が減少しその役割を十分に果たせていなかったことから、住職の西山十海さんは施策を立て、さまざまなプロジェクトに挑戦してきました。その一環として、サウナを取り入れることに決めたのです。

心を癒す「サウナ」の体験

西山住職は、サウナの体験を通じて心の安らぎを感じ、坐禅にも通じるものがあると考えています。サウナを訪れることで、気軽にお寺を訪れ、坐禅の体験も楽しんでほしいという願いがあります。サウナは、心地よい温度と湿度の中で、リラックスしながら深い呼吸を促し、ストレスを解消する手助けをします。サウナがもたらすこの自然な癒しを、境内の静けさとともに体感できるのです。

フィンランド式サウナの設計

フィンランドサウナの設計には、「ロウリュウの法則」が取り入れられています。これは、サウナ内の湿度と温度を調整し、快適な環境で人々が社交することを目的としています。大泰寺のサウナでは、地元の豊富な森林資源を活用し、他では見られない魅力的な木材を使用しています。サウナ室内には、木の香りが広がり、心身ともにリフレッシュできる空間が広がります。

特別な体験の提供

サウナの利用は、日帰りと宿坊での宿泊の2つから選べます。宿泊者には、早朝の坐禅体験も用意されており、禅の深い世界が体験できる特別なプランとなっています。また、貸切サウナの提供や男女水着利用が可能なため、さまざまなニーズに応える形となっています。

幸せのサウナ体験

西山住職は、「潤うサウナ」を目指して多くの人々が安心して訪れる場所を作ろうと努力しました。ありがたいことに、サウナの完成前からクラウドファンディングで支援を受け、サウナの安全祈願と内覧会が開かれ、多くのサウナファンが集結しました。彼らは「日本初のお寺サウナ」の完成を喜び、その魅力を体感することができました。

このサウナは、単なる施設ではなく、訪れる人々に心の安らぎや新たな気づきを与える場所として、新しい試みを続けていきます。フィンランドからのインスピレーションを基にしたこの特別なサウナが、日常生活のストレスを忘れさせてくれることでしょう。