NTT Com、熊本県荒尾市と連携し水稲栽培によるJ―クレジット創出へ - 水利組合の運営費負担軽減を目指した新たな農業モデル構築
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、熊本県荒尾市(以下、荒尾市)と有明地区水利組合(以下、水利組合)と連携し、水稲栽培における中干し期間延長の方法論を活用したJ―クレジット創出の取り組みを開始しました。
この取り組みは、稲発酵粗飼料(稲WCS)を用いて行われ、J―クレジットの販売益を水利組合で一元管理し、運営費に充てることで、生産者の組合費負担軽減を目指しています。これは、持続可能な農業の実現に向けた新たな農業モデルの構築を目指した取り組みです。
背景
近年、農林水産省は「みどりの食料システム戦略」を掲げ、持続可能な農業の実現を目指しています。その一環として、2023年3月に「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」が策定されました。
NTT Comは、この方法論に基づき、温室効果ガスの排出量削減と、創出されたJ―クレジットの流通による新たな農業モデルの構築を目指しています。
しかし、生産者は米の品質への影響に対する不安やJ―クレジットの申請手続きの煩雑さから、水稲栽培における中干し期間延長への参入障壁が高いのが現状です。
この課題を解決するため、脱炭素社会の実現に向けて積極的な取り組みを行っている荒尾市および水利組合と連携し、生産者の本取り組みへの参画を後押しするとのことです。
本取り組みの概要
本取り組みでは、水利組合の組合員が保有する稲発酵粗飼料(稲WCS)の水田において、中干し期間を直近2か年平均より7日間以上延長することで、水田から発生するメタンガスを抑制します。
抑制したメタンガス量はJ―クレジットとして申請が可能です。J―クレジット認証に必要な各種データの管理や申請はNTT Comが一括して行います。
水利組合はJ―クレジット販売益を、これまで組合員が負担していた水管理やパイプラインの管理・修繕などの運営費に充てることで、組合員の負担軽減を検証します。
今後の展開
NTT Com、荒尾市、水利組合は、本取り組みを通じて、水稲栽培における中干し期間延長が与える米への品質・収量影響を見極めます。
来年度以降は、稲発酵粗飼料(稲WCS)に加えて食用米の水田でもJ―クレジット創出および温室効果ガス削減を目指します。
NTT Comは、本取り組みを他地域へ展開することで、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいく予定です。
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