中澤希公の新作個展「昨日、巡り合おうとしなくても」が青森で開催
2026年1月16日から18日まで、青森県立美術館にて中澤希公による個展「昨日、巡り合おうとしなくても」が開かれます。この展覧会は、喪失の経験やそれに対する向き合い方をテーマとし、訪れる人々に深い共感をもたらすことでしょう。
中澤希公は、14歳のときに母を乳がんで亡くした経験から、同様の悲しみを抱える人々とつながる試みを続けています。特に「死んだ母の日時展」というプロジェクトでは、多くの人から寄せられた手紙を集め、約2000通が集まりました。これらの手紙は、故人に対する思いを言葉にすることで、悲しみを共有し、癒しへとつなげる重要な役割を果たしています。
喪失と向き合う空間
本展では、喪失の記憶を掘り起こし、日常の中でどう生きていくかを考えるための場所を提供します。私たちは、周囲にあふれる様々な物質や感情、人との別れを通して、少しずつ自己を形成していきます。中澤の作品は、泡のように揺れ動く記憶や感情と向き合いながら、私たちが探し求めている答えに少しでも近づけるきっかけとなることでしょう。
アーティストの背景
中澤希公は、岩手県出身のアーティストであり、東京藝術大学の大学院に在籍しています。彼の作品は、死別体験を通じて得た学びや感情を具現化することに重点が置かれています。2022年からは、毎年「死んだ母の日時展」を開催し、多くの人々に共感を呼んでおり、メディアでも取り上げられています。
特に、2022年度と2023年度には「GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD」で優秀賞を受賞し、アート界での存在感を増しています。また、2024年にはロンドンに留学し、さらなる展開が期待されています。
展覧会の詳細
開催情報
- - 展覧会名: 中澤希公「昨日、巡り合おうとしなくても」
- - 場所: 青森県立美術館 コミュニティギャラリーA
- - 日時: 2026年1月16日(金)〜18日(日) 09:30〜17:00(※作家在廊時間: 9:30〜12:00, 13:00〜17:00)
- - 参加料: 無料
作品の魅力
中澤の作品は、物質の消失や記憶の薄れをテーマとし、観覧者に積極的に心の内を探求させるような仕掛けがなされています。例えば、ある作品では呼吸のリズムに合わせて泡が生まれる仕組みが取り入れられており、泡は生まれては消えていく特性を持つことで、喪失の感情を象徴しています。また、武器と居場所の交差点での儀式的な要素を絡め、観客自身が体験することが求められます。
この展覧会により、日常生活の中で抱える喪失や悲しみと向き合う機会が提供され、多くの人々が自分自身の喪失の経験に思いを馳せることでしょう。青森の美しい文化と風景の中で、ぜひこの特別な機会をお見逃しなく。また、出展作品を通じて感じる感情が、どのようにあなたの心を温めてくれるのか、楽しみにしていてください。
お問い合わせ
展示に関する問い合わせは、中澤希公のメールアドレスへの連絡が可能です:
[email protected] の方までご連絡ください。